鳥取県米子市で振袖・着物のレンタルやクリーニング・着付け教室はきもの永見

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着物クリーニング 浴衣

【素材別】浴衣の洗い方&お手入れ方法は?収納まで完全ガイド【簡単】

日本の夏を彩る浴衣。

華やかな一方で「洗い方やお手入れ方法の正解がわからない」とお悩みの方は多いはず。

浴衣は生地の素材ごとに洗い方やお手入れ方法が変わり、適さない方法だと色落ちや生地の傷みに繋がることも…。

大切な浴衣を長持ちさせるために、浴衣の素材別に、それぞれに適した洗い方とお手入れ方法を解説します。

お気に入りの浴衣をきれいな状態で保管する方法が知りたい!という方は、ぜひ最後までご覧ください。

浴衣は生地の素材ごとに洗い方&お手入れ方法が異なる!

ゆかたクリーニング

浴衣は生地の素材によって洗い方やお手入れ方法が異なります。

洋服でも素材などにより洗濯方法が違うように、浴衣も生地によって適した洗い方はさまざま。

素材によって適切な方法でお手入することで、より良い状態で保管することが出来ます。

次に紹介する素材ごとにべストなお手入れ方法で、浴衣を長持ちさせましょう。

素材別|浴衣の洗い方&お手入れ方法【綿、麻・ポリエステル・絞り】

浴衣は生地の素材ごとに適したお手入れが大切です。

代表的な浴衣素材の綿、麻・ポリエステル・絞りの3種類について、それぞれの洗い方とお手入れ方法について詳しく紹介します。

⚠️注意

浴衣に洗濯表示タグがついている場合は、表示内容にしたがってお手入れしましょう。
また、失敗したくない!という方は専門店でのお手入れがおすすめです。
この記事では素材ごとの基本的なお手入れ方法をご紹介します。

「綿素材」「麻素材」の浴衣

教材用浴衣反物

綿や麻の浴衣は、原則として自宅で水洗いが可能です。

洗濯機または手洗いでのお手入れが基本ですが、型崩れが心配な場合や大切な浴衣であれば、より丁寧な「手洗い」がオススメです。

【洗濯機の場合】

①浴衣をきれいに本畳みする

②洗濯ネットに入れる

着物用ネットが理想ですが、通常の洗濯ネットでもOKです

着物用洗濯ネット

③中性洗剤を入れて手洗いコースやおしゃれ着洗いコースで洗う

④脱水は短めに

30秒程度に留めるとシワになりにくく、アイロンが必要になりにくいのでおすすめです。

 

【手洗いの場合】

①浴衣をきれいに本畳みする

②浴槽や洗濯桶などにぬるま湯を入れて中性洗剤をよく溶かす

③浴衣を両手で優しく押すようにして押し洗いをする

④優しく手絞りする

洗濯機で脱水する場合は短めに留めるとシワになりにくいです。

▼着物(浴衣)のたたみ方

着物のたたみ方 基本編 ポイントとコツをご紹介!

 

【色落ちが心配な場合】

自宅での洗濯で色落ちが心配な時は、専門店にクリーニングを任せてしまいましょう。

お店に持ち込む際は一般的なクリーニング店でもよいですが、着物専門のクリーニングを行っているお店であればより安心です。

「ポリエステル」の浴衣

浴衣

ポリエステル素材の浴衣も、基本的に自宅で洗えます。

ポリエステルの浴衣は、綿麻素材と同じく洗濯機または手洗いでのお手入れが可能。

ポリ素材はアイロン不要のものも多いので、お手入れが楽チンです。

 

【洗濯機の場合】

①浴衣をきれいに本畳みする

②洗濯ネットに入れる

③中性洗剤を入れて手洗いコースやおしゃれ着洗いコースで洗う

④脱水は短めに

 

【手洗いの場合】

①浴衣をきれいに本畳みする

②浴槽や洗濯桶などにぬるま湯を入れて中性洗剤をよく溶かす

③浴衣を両手で優しく押すようにして「押し洗い」をする

④洗濯機に入れて短めに脱水

ポリエステルの既製品には洗濯表示タグがついていることが多いので、確認してから洗い始めましょう。

「絞り」の浴衣

「絞り」の浴衣は特徴であるシボがデリケートなので、通常タイプの浴衣よりもお手入れに気を遣うとよいでしょう。

最も安全なのは着物専門のクリーニング店に任せることです。

自宅で洗いたい場合は自己責任にはなりますが、洗濯表示をよく確認し優しく手洗いしましょう。

【絞りのシボについて】

絞りに水を通すとシボの凹凸は伸びてなだらかになります。

それでも良い、そちらの方が良い場合は自宅で手洗いOKなのが絞りの浴衣です。

シボの凹凸をしっかり残したい場合は、やはり着物クリーニングの専門店に出しましょう。

洗濯後の浴衣の干し方

洗濯後の浴衣の干し方は、以下を参考にしてみてください。

「陰干しで自然乾燥」が基本

浴衣の乾燥方法として最も良いのは、「陰干しで自然乾燥」です。

浴衣は直射日光に当てると色あせや生地ダメージの原因となるため、風通しのよい場所での陰干しが適しています。

脱水を短めにすることで、干している間に自重でシワが伸びてアイロンの手間が省けることも多いです。

乾燥機を使用すると型崩れや縮みが起こるので、必ず自然乾燥させましょう。

着物ハンガーの使用がオススメ

着物ハンガー

浴衣を干す際には「着物ハンガー」の使用がオススメです。

着物は洋服用のハンガーではなく、着物ハンガーにかけたほうがシワ・型崩れになりにくいです。

着物は洋服と違い肩から袖のラインが直線なので、洋服のハンガーでは幅が足りず、直線のラインや繋がっている衿元のシワ・型崩れに繋がることも…。

通常のハンガーで干すよりも風が通りやすく、乾きやすいのもポイントです。

着物ハンガーが無いとき

直線ハンガーに突っ張り棒を紐やクリップで固定します。
突っ張り棒なので長さが調節でき、簡易着物ハンガーになるので便利です。
お家に着物ハンガーがない方におすすめの方法です。

浴衣のアイロンがけの方法

次に、洗って干した後の浴衣のアイロンがけについて説明します。

※絞りの浴衣はアイロンをかけるとシボの凹凸が完全にフラットになってしまうので、おすすめしません。

アイロンの温度設定

浴衣のアイロンがけをする際は、素材に合わせてアイロンの温度設定を行います。

一般的に「綿、麻」は高温、「ポリエステル」は低温に設定し、あて布をするとよいでしょう。

適切な温度設定とあて布で、生地を傷めずにきれいにアイロンをかけられます。

※洗濯表示タグがある場合は表記にしたがって温度設定してください。

アイロンがけの順序

浴衣は広げると面積が広いので、大きなタオルなどの敷物を敷いて床の上で作業するとアイロンをかけやすいです。

アイロンをかける前に縫い目を揃え、表面を手の平でなでて平らにしてからアイロンをかけましょう。

衿元から始め、前身頃、背中、袖と順々にアイロンを進めます。

綿系の浴衣であればスチームの使用もOK。

シワが伸びにくい場合は試してみてくださいね。

洗濯後のアイロンが不要な浴衣はある?

アイロン

浴衣の中には、アイロンがけが不要なものも存在します。

ポリエステル素材の浴衣は比較的シワになりにくくアイロンが不要なことが多いです。

なかでも「セオアルファ」素材の浴衣は、ポリエステル素材の中でも特にシワになりにくいのが特徴です。

アイロンをかけなくてもキレイな状態がキープできるので、お手入れが楽チン。

浴衣のアイロンがけの手間を省きたい方は、セオアルファの浴衣を選ぶのも一つの選択肢です。

▼セオアルファの浴衣についてはこちら

セオアルファとは?暑い夏におすすめの浴衣をお教えします!

浴衣の収納方法と保管のコツ

洗濯後の浴衣の収納方法と保管のコツもおさえておきましょう。

畳み方と保管方法

浴衣を収納する際は、まずは「本だたみ」できれいに畳みます。

干し上がりに多少シワがあってもきっちりと畳んでおけば、ノンアイロンでもさほど気にならないことも多いです。

洗い上がりと次回着用時のアイロンの手間を省くことにも繋がるので、しっかりと畳んでおきましょう。

▼着物(浴衣)のたたみ方

着物のたたみ方 基本編 ポイントとコツをご紹介!

畳んだ浴衣はたとう紙に入れて、タンスに収納します。

たとう紙は湿気を吸うので、定期的に交換するのがおすすめです。

▼たとう紙についてはこちら

あなたの「たとう紙」は大丈夫ですか?~きものを正しく収納する豆知識~

収納場所の選び方

桐たんす

浴衣の収納場所は、着物と同様にタンスが最適です。

タンスがない場合はプラスチックケースでも代用できますが、湿気がこもりやすいので注意が必要です。

プラスチックケースを使用する場合は、定期的にフタを開けるなど換気を行うと長持ちしやすくなります。

また、直射日光が当たらない場所で保管することも大切です。

▼着物と浴衣の収納方法はこちら

着物の保存・収納3ステップ&保管場所6選!防虫剤のおすすめとベストな保管法も

防虫剤・防湿剤は必要? 

浴衣を長期間保管する際は、防虫剤&調湿剤の使用がオススメです。

着物専用の防虫剤&調湿剤を入れておくことで、虫食いやカビから浴衣を守ってくれます。

きもの永見では、防虫・調湿効果のある「備長炭シート」をオススメしています。

交換不要でタンス内を適切な湿度に保ってくれるので、湿気によるカビを防ぐことができます。

 

 

浴衣のお手入れQ&A

浴衣のお手入れについてよくある質問にお答えします。

Q.汚れがひどい場合はどうする?

A.浴衣の汚れがひどい場合は、速やかにクリーニングに出しましょう。

自身で手を加えて万が一汚れが悪化してしまった場合、その後クリーニングに出しても完全に戻らない場合があります。

下手に構わず早めにお店に持ち込むようにしましょう。

Q.自宅で洗うと色落ちや縮みが心配

A.木綿系の浴衣は、仕立てのときなど事前に水通しをしていない限りある程度の縮みは起こるものと考えましょう。

過度な脱水・乾燥機の使用などがない限り、着用不能なほどの縮みは起こりにくいので、さほど気にしなくてもよいでしょう。

ですが、心配なら自身で洗濯するのはやめておいたほうが無難です。

また色落ちも同様に、藍染などの色落ちしやすいもの、落ちることが前提のものでない限り、市販の浴衣では起こりにくいです。

しかし、少しでも不安があるなら専門家に任せてしまいましょう。

もちろん浴衣に洗濯表示や説明書きがあれば、それに従ってくださいね。

Q.洗濯後に浴衣がほつれてしまったら?

A.洗濯のダメージなどで浴衣がほつれてしまった場合、手縫いで補修、または呉服店などに持参してほつれ直しをお願いしましょう。

浴衣を縫った経験がある場合は、簡単なほつれなら自分で直す方もいます。

浴衣を縫ったことがない、または大きなほつれで自宅での修理が難しい場合は、呉服専門店やクリーニング店に相談しましょう。

浴衣は素材ごとに適切なお手入れで長持ち!

今回は浴衣の素材別のお手入れ方法を紹介しました。

大切な浴衣を長持ちさせるためには、素材の特徴に適した洗い方&お手入れを行うことが重要です。

記事の内容を参考に、お気に入りの浴衣をきれいな状態で保存しましょう。

written by ISHIKURA

歴史学科卒業後、地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。

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この記事を監修した人 A.OTA

きもの永見「美装流着付け教室」講師。 「着物でお出かけしてみたい」そんなあなたのお手伝いを致します。 着付け教室HP https://kimono-nagami.com/school/

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