

じめじめとした毎日、お家の着物は大丈夫だろうか…と心配になってきますよね。
これから湿度も上がる季節、さらに安心にかつ簡単に着物の管理ができる方法についてお教えいたします。
「そもそも、きものや帯を広げたことがない」「管理って、どこからはじめたらいいの?」という方も
わかりやすい基本のものから、簡単に管理できる方法もございますのでご安心下さい。
着物の基本的な保管・収納方法
まず、 着物の保管は1枚ずつ和服用のたとう紙に包んでから収納します。
そして たとう紙をタンスにいれて収納 しましょう。
ここで着物を入れるタンスですが、きものの保管に最適なのは桐のタンスと言われています。
桐タンスが最適な理由は、桐は湿気で伸縮することで湿度を一定に保つことができるからです。
また、虫を寄せ付けにくくする防虫効果もあるので大事なお着物を綺麗なまま長期間保管するのにとても適しています。
逆にプラスチック製のケースでは通気性が劣り、紙製の箱は湿気を吸いやすいので
一時的な仮置きならともかく、長期的にしまっておくとカビが発生したり、きものが縮む原因となってしまいます。
また、 タンスの上段は湿気がたまりにくいので良い着物や大事な着物は優先的に上段に入れていたほうが良い でしょう。
きものを長持ちさせるために
上記の手順で着物をしまって安心…というわけではありません。
どんなにきちんとしまっているつもりでも、環境が悪いとすぐに着物はボロボロになってしまいます。
では、どのように環境を整えたら着物をキレイに保管することができるのか、
その方法をお話していきます。
たとう紙の定期的な交換
お客様からのご相談の中でも、きものを長期間タンスに入れっぱなしにしていて久しぶりに開けたらシミがあった、というものがとても多いです。
その原因のほとんどが、たとう紙のシミがきものに移ってしまったケースです。

たとう紙にシミを見つけたら、即交換が必要です!
湿気対策①ー虫干し
着物にカビが生える一番の原因は、やはり湿気です。
そこで、きものの湿気を取り除く方法として一番有効だと言われているのが虫干しです。
皆さま疑問に思われているであろう、虫干しの時期・方法をまとめました。
湿気対策②ータンスの換気
きちんと着物を干すことができればそれが一番ですが、忙しくてなかなか虫干しが出来ない!という方も多いと思います。
そこでもっと簡単にとれる湿気対策が
天候のいい日に箪笥を開けて扇風機を回す という方法です。
詳しくは↓こちらの記事に載せています。
ただ、タンスにしまいきりのきものや帯は、点検の意味をこめて一度虫干しを行ったほうが良いでしょう。
防虫剤・除湿剤を使用する際の注意
着物を入れているタンスに防虫剤や除湿剤を入れている方も多いと思います。これさえ入れていれば大丈夫!と思っている方に気をつけていただきたいのはきものを守るために入れている防虫剤が逆にきものを劣化させかねない、という可能性です。
防虫剤の注意点とは?
数種類の防虫剤を併用すると、化学反応を起こし、シミや変色の原因になることがあります。どうしても入れるならば一種類だけ入れるようにしてください
■直接きものに触れないように!
防虫剤によって着物が変色、シミができる場合があります。絶対に直接着物や帯に触れないようにしてください。
■定期的な交換が必要!
市販の防虫剤・除湿剤は約半年ほどで交換が必要です。特に除湿剤は水分がたまると逆にそれがカビ発生の原因になります。
■きものに匂いがついてしまう!
防虫剤や樟脳(しょうのう)を入れて、長くタンスにしまっているときものに匂いが移ってしまうことも。せっかくの美しい着物姿なのに、漂う匂いで残念な気持ちになってしまうのは避けたい所…。

そこでオススメなのが「備長炭シート」なんです!
備長炭シートで簡単に、安全にきものを長持ちさせましょう。
着物の保管・保存方法にお悩みの方にオススメなのが備長炭シート。
着物にとって保存に最適と言われる50%~60%の湿度に保たれる調湿の役目を果たし、交換が不必要で年中使える品です。
備長炭はさまざまな効能 があり、いずれも着物の保存には最適な働きをします。
備長炭シートの効果
備長炭には湿度を一定に保とうとする働きがあり、カビの発生を抑えます。 蒸し暑い夏や梅雨には余分な湿度を吸収し、冬の乾燥した時期には湿度の高い時期に吸収した水分を放出し適度に湿度を保つ為、いつでもきものにとって最適な湿度に保たれます。
■防虫・抗菌作用で、きものを清潔に保管
備長炭の持つ調湿効果や参加還元作用(アルカリ化)により湿度の多い酸化した場所を好み繁殖する ダニ・雑菌を寄せにくくします 。
■消臭効果で匂いも安心!
汗や煙草・食事等で酸化した 嫌な匂いを取り除きます 。
■持続効果は永遠 取り替えいらず
一度入れた備長炭シートは間で干したり入れ替えたりする必要はなく永遠に使っていただけます。 ※基本的に一度タンスに入れておけばシートの手入れの必要はありませんが、お着物の為にも湿度の少ない日に換気をするなどして通気性を良くすることをオススメします。

取り替えいらずな点が大きなメリットですよ

まとめ
着物は非常に繊細で、湿気やカビに弱いといわれています。ですから、保管方法や保管環境には特に気をつけないといけません。
もしタンスに入れてそのままにしている方は、一度中の状態を確認してみましょう。
きちんとたたんで保管していても、風通しができていないとカビや虫の原因になりますので、定期的にタンスの中の換気や虫干しをしておくと良いでしょう。
さらに、備長炭シートをタンス一段につき一枚入れておけば安心です。
これらを守って保管していれば、いつまでも綺麗な状態で着物を着続けることができますので
いざ着ようと思って取り出したときに慌てないためにも、着物は正しく保管しておくことが大切です。

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written by TAKAHASHI
文化学部卒業後、和文化に興味を持ち地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。