「着物をタンスにしまったまま何年も経っている」「久しぶりに着物を出したらカビやシミが……」そんなご経験はありませんか?
実はその原因、たとう紙にあるかもしれません。
たとう紙は着物を湿気やホコリから守る大切な存在ですが、永久に使えるわけではなく、定期的な交換が必要です。交換の目安を過ぎたたとう紙をそのまま使い続けると、かえって着物にダメージを与えてしまうことも。
この記事では、天保3年(1832年)創業の着物専門店・きもの永見が、たとう紙の役割から和紙・洋紙の違い、交換時期の見極め方、さらにおすすめの保管方法まで、わかりやすく解説します。
目次
たとう紙とは?着物専用の収納包み紙の役割
たとう紙(畳紙)は、着物を一枚ずつ包んで保管するための専用の紙です。
地域によって呼び方はさまざまで、「たとうし」「たとうがみ」「文庫紙(ぶんこし・ぶんこがみ)」など多くの名前があります。地域によっては同じ「たとう紙」という名前で、懐紙や衣裳敷のことを指す場合もあります。
この記事では「たとう紙」という名前に統一してご紹介いたします。
たとう紙の3つの役割(防カビ・防塵・防シワ)
たとう紙には大きく分けて3つの役割があります。
1. 防カビ(吸湿効果)
たとう紙は紙製のため吸湿性があり、タンスやクローゼット内の湿気を吸収してくれます。着物の大敵であるカビの発生リスクを下げるうえで、たとう紙の吸湿機能はとても頼りになります。
2. 防チリ・ホコリ
タンスやクローゼットに収納していても、少しずつチリやホコリは溜まるもの。たとう紙で着物を包んでおくことで、生地に直接ホコリが積もるのを防ぎます。
3. 防シワ
着物をそのまま重ねたり紙袋に入れたりすると、余計なシワが付きがちです。たとう紙で一枚ずつ包むことで着物同士の摩擦が減り、シワが付きにくくなります。
たとう紙の素材|和紙と洋紙の違い・どちらを選ぶべき?
たとう紙には和紙製と洋紙製の2種類があります。着物の保管に適しているのはどちらなのか、それぞれの特徴を比較してみましょう。
和紙のたとう紙の特徴
和紙は楮(こうぞ)・雁皮(がんぴ)・三椏(みつまた)などの植物繊維を原料にしています。長い繊維を絡めるようにして漉くため、繊維同士の結合が強く保存性が高いのが特徴です。
表面に繊維の隙間があるため通気性が良く、ザラッとした質感が着物を中で滑りにくくしてくれます。
洋紙のたとう紙の特徴
洋紙はパルプ(植物や木材から抽出した繊維)を原料にし、繊維を短く刻んでさまざまな薬品を調合して製造されます。印刷に適した表面がツルッとした仕上がりになりますが、薬品で繊維を結合しているため和紙よりも劣化が早い傾向があります。
着物の保管には和紙のたとう紙がおすすめ
着物を長く良い状態で保管するなら、和紙のたとう紙がおすすめです。通気性が良く、吸湿力に優れ、着物が中で滑りにくいという点で洋紙製より優れています。
着物をクリーニングに出すと新しいたとう紙に入って返ってくることがありますが、付属するたとう紙は洋紙製のツルッとしたタイプであることも少なくありません。もし洋紙製だった場合は、改めて和紙製のたとう紙に入れ替えてあげましょう。それだけでも着物を長持ちさせる秘訣になります。
きもの永見の和紙たとう紙
きもの永見のオンラインショップでは、着物に優しい和紙製のたとう紙を取り扱っています。83cm(着物を二つ折りで収納)と55cm(帯用・着物三つ折り用)の2サイズがあり、中紙あり/なしもお選びいただけます。
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古くなったたとう紙が着物に与える影響|カビ・シミの原因に
着物に携わる人の間には「湿気は着物の天敵」という言葉があります。
久しぶりに着物を広げてみたら、まだ一度も着ていないのにカビが生えていた、という経験はありませんか? 実はそれ、たとう紙が原因かもしれません。
何年も交換せずに使い続けたたとう紙は、吸湿の限界を超えて湿気を溜め込んでしまいます。その結果、たとう紙自体が茶色く変色したり、斑点のようなシミが出たり、カビが生えたりします。そしてやっかいなのが、これらの汚れがたとう紙だけにとどまらず、中の着物にまで移ってしまうことがあるという点です。
たとう紙から移ったカビやシミが着物に沈着してしまうと、カビ取りやシミ抜きのクリーニングに追加料金がかかったり、最悪の場合は完全に取りきれないケースもあります。
たとう紙の交換時期は?状態で見極めるチェックポイント
交換時期は「年数」より「たとう紙の状態」で判断
たとう紙の寿命は、保管環境によって大きく変わります。桐箪笥で湿度管理が行き届いている場合は数年以上もつこともありますし、逆に湿気の多いクローゼットでは傷みが早くなることもあります。
そのため、「○年で交換」と一律に決めるよりも、たとう紙の見た目や状態を定期的にチェックして判断するのが一番確実です。
こんなサインが出たら交換を検討しましょう
- たとう紙に茶色い変色が見られる
- 斑点状のシミが出ている
- カビの匂いや黒い点々がある
- 紙がしんなりして湿気っぽい
- 表面のハリがなくなり、くたっとしている
上記のようなサインが見られたら、新しいたとう紙への交換を検討してみてください。「着物を買ってから一度もたとう紙を替えたことがない」という方は、一度タンスを開けてたとう紙の状態を確認してみることをおすすめします。
交換のベストタイミングは梅雨明け
たとう紙を交換するタイミングとしておすすめなのは、梅雨明けの湿度が落ち着いた時期です。梅雨の間にたっぷり湿気を吸ったたとう紙を新品に入れ替えることで、溜まった湿気を一気にリセットできます。
秋の衣替えの時期に着物を確認するのも良い習慣です。季節の変わり目にたとう紙をチェックすることを、ぜひルーティンに取り入れてみてください。
着物の保管をさらに良くする方法|備長炭シートがおすすめ
たとう紙の交換に加えて、保管環境そのものを整えてあげると、着物はさらに長持ちします。
着物をしまっているタンスに樟脳(しょうのう)や防虫剤を入れている方も多いと思いますが、これらは半年〜数ヶ月ごとに取り換えが必要で少し手間がかかります。また、樟脳や防虫剤には独特の匂いがあり、着物に匂いが移ってしまうのが気になるという声も少なくありません。
そこできもの永見がおすすめしているのが「備長炭シート」です。備長炭シートは抗菌・防湿・調湿の3つの機能を兼ね備えた優れもの。最大の魅力は取り換えの必要がない点です。多湿の時期には湿気を吸い、乾燥した時期には吸った湿気を放出してくれるため、「吸湿」ではなく「調湿」として年間を通じて着物を守ってくれます。匂い移りの心配もないので、着物を気持ちよくお召しいただけます。
きもの永見おすすめの保管グッズ
きもの永見のオンラインショップでは、備長炭を使った着物保管グッズも取り揃えています。タンス全体の調湿には備長炭シート、引き出しやたとう紙の中にはポケット備長炭、手軽に除湿したい方にはきもの番と、用途に合わせてお選びいただけます。
着物の保存・収納について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. たとう紙はどこで購入できますか?
A. 着物専門店や呉服店のほか、オンラインショップでも購入可能です。きもの永見の店頭でも和紙のたとう紙を取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
Q. 洋紙のたとう紙は使わないほうがいいですか?
A. 短期間の保管や持ち運び用であれば問題ありませんが、長期保管には通気性・吸湿性に優れた和紙のたとう紙をおすすめします。
Q. たとう紙の代わりにビニール袋で保管してもいいですか?
A. ビニール袋は通気性がなく湿気がこもるため、カビの原因になりやすく着物の保管には適しません。必ずたとう紙をお使いください。
Q. たとう紙にカビが生えていたら着物は大丈夫ですか?
A. たとう紙のカビが着物にも移っている可能性があります。すぐにたとう紙を交換し、着物にカビやシミがないか確認しましょう。もしカビが移っていた場合は、専門のクリーニングに出されることをおすすめします。きもの永見ではクリーニング実績12,000枚を突破しており、お気軽にご相談いただけます。
まとめ|たとう紙の定期交換で大切な着物を守りましょう
たとう紙は着物を湿気・ホコリ・シワから守ってくれる頼もしい存在ですが、使い続けるうちに吸湿性能が落ち、逆に着物を傷める原因になることもあります。
ポイントを整理すると、以下の通りです。
- たとう紙は着物を「防カビ・防塵・防シワ」で守る収納必需品
- 素材は和紙が最適。洋紙は短期利用向き
- 交換時期は年数ではなく、たとう紙の状態(変色・シミ・湿気)で判断
- 交換のベストタイミングは梅雨明け
- 備長炭シートを併用するとさらに安心
大切な着物を美しいまま次の世代へ受け継いでいくためにも、ぜひ定期的なたとう紙の交換を習慣にしてみてください。
着物の保管やお手入れでお困りのことがあれば、きもの永見までお気軽にご相談くださいませ。
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written by きもの永見コンテンツ制作部
きもの永見コンテンツ制作部では、創業1832年の老舗として培ってきた知識と日々の現場経験をもとに着物に関する情報を発信しています。地域の皆さまにとって信頼できる情報源であることを目指し、一つひとつ丁寧に制作しています。

