夏祭りが近づく季節になると、自然と浴衣の話題になりますね。
例年、店頭でも5月頃から浴衣を並べ始めますが、お祭りが近づく頃が一番の最盛期という感じでしょうか。
子供から大人、男女を問わず浴衣を見にお客様が来店されると、なんだか『夏が近づいて来た!』という実感がしてワクワクしてきます。
浴衣に足袋って履くの?
ココで、浴衣にまつわる様々な話の中で、お客様・着付け教室の生徒様方の反応がそれぞれ分かれるのが
浴衣を着たときの足元=足袋を履く?
という お話しです。
結論から言ってしまえば 決まりはありません。
強いて言うなら浴衣を改まった雰囲気で着たいときは、足袋を履くことをオススメします。
浴衣に足袋を履くのなら
浴衣はカジュアル着物の代表ですよね。
着物が日常着だった頃、浴衣は湯上がり着や寝巻きの位置付けでしたが、下着が表着に変化していく服飾史の類にもれず、浴衣も今では立派なおしゃれ着です。
浴衣といえば足元は当然「素足」というのが世のイメージでしょうか。
もともと浴衣は湯上がりの湯帷子から云々の話から考えると、「浴衣は素足」の考えに至るのは必然でしょうね。
「お子様~若い皆さま、男性はゆかたに素足で涼やかに」で、良いと思います。
しかし、お若いうちは【かわいい浴衣姿】で通用していても、少し大人になると素足に年齢を感じたり、冷房で冷えたりと気になることが増えてきます。
(え?アタシだけですか…?)
そんな時に「足袋」は強い味方です。
ここ近年、提唱されている「浴衣を夏着物として着る」という着方が浸透しましたが、浴衣でもちょっとだけ【おめかし】したい時に足袋を履かれると改まった印象になります。
ちょっとした集まり「クラス会」「食事会」など、浴衣を着物っぽく着たい時に、足袋と合わせて半衿ものぞかせると更に雰囲気アップです。
夏に履く足袋は?
白足袋は通年使えますが、内側にネルやフリースが付いている防寒用のものはさすがに暑いので避けましょう。
麻足袋やレース足袋が夏らしい足袋の代表ですが、他にも涼しく夏らしい素材の足袋もたくさんあるので、好みの足袋を見つけられるのも楽しみのひとつかも知れませんね。
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特に、下駄に慣れていなくて花緒ずれ(靴ずれ)になって痛くならないようにガードする役目としても足袋は優秀だといえます。
せっかくの「浴衣でお出かけ」が痛くて残念な思い出にならないように…。
お祭りの浴衣姿でも、揃いの浴衣姿に足袋を履かれた姿も見かけますし、日本舞踊をされる方は浴衣に足袋を合わせておられる方も多いですね。
ルールはある?
浴衣はカジュアル着物ですから、フォーマル着物のようなルールは特に存在しません。
ご自分のファッションとして違和感がなければ良いと思います。
ただし、「浴衣に足袋」の装いで改まった印象を狙うのなら、帯結びもこだわりたいですね。
名古屋帯でお太鼓結びや半幅帯でも割角出しなど、少し大人女子を感じられる帯結びにされると足袋との相性が良くなります。
ルールは無いのですが、昔ながらの浴衣に囚われておられる方からすると、浴衣に足袋を合わせることに違和感を感じる方がおられることも事実です。
指摘された場合、立場関係からスルー出来ない相手の場合は、人間関係を優先されても良いでしょう。
マナーとして
例えば、よそのお家におじゃまする時や茶道・華道などのお稽古などの時はマナーが大切になる場面です。
訪問先で履物を脱いで座敷に上がるシチュエーションの時に『素足のままでは失礼』と感じるときは足袋を履かれたほうが良いでしょう。
ファッションとして
【浴衣に足袋】も、コーディネートのひとつとしてお考えください。
トータルコーディネートのファッションのアイテムとしての足袋です。
・浴衣姿を改まった印象にしたいときは、足袋を履く
・浴衣姿を 若々しく・可愛らしく 仕上げたいときは素足
フットケアをしてネイルもばっちりにしたら、素足のまま見せたいですよね。
まとめ
《浴衣に足袋を履く》
《浴衣は素足》
どちらかの方が良いとか、こうでなければならないとかではなく、楽しく浴衣を着ていただくための参考にしていただければ嬉しいです。
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written by A.OTA
きもの永見「美装流着付け教室」講師。 「着物でお出かけしてみたい」そんなあなたのお手伝いを致します。 着付け教室HP https://kimono-nagami.com/school/