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七五三 / 紐落とし 和文化 きものコンシェルジュ

『七五三』と『紐落とし』 地域の文化風習の違い

A.OTA
紐落としで着物を着たことが、嬉しくて嬉しくて…。未だに忘れられない きもの永見着付け教室の太田です。

着物に目覚めたキッカケなのかもしれません。

 

七五三といえば知らない方はおられないことでしょう。

 

では『紐落とし・ひもおとし』はいかがでしょう。

全国的にみるとご存じない方のほうが多いと思います。

『紐落とし』とは

『紐落とし(ひもおとし)』とは、ここ山陰地方独特な七五三と同様なお子様の通過儀礼です。

今でも出雲を中心とした山陰地方では、七五三よりも『紐落とし』をされる方がほとんどです。

『七五三』と『紐落とし』の違い

全国的にメジャーな『七五三』は、数え年の三歳・五歳・七歳の節目に子どもの健やかな成長を祝うための行事です。

男児は五歳

女児は三歳・七歳にお詣りするのが一般的です。

詳しくはコチラからそうぞ

パパ・ママ必見!はじめての七五三、いつどんな風にお祝いするの?

では、『紐落とし』は?

男児・女児ともに、数え年の四歳でお詣りします。

七五三 兄弟 全身

(上:紐落としのお嬢ちゃんとお兄ちゃん)

数え年と満年齢

ここで、年齢の数え方に注目してみましょう。

神社仏閣で参拝する年齢は『数え年』が基本になります。

厄年や還暦・米寿のお祝いなども数え年でします。

現代の日常生活は満年齢を使うのが一般的なので、数え年といわれてもピンとこない方も多いことでしょう。

数え年=お正月が基準

満年齢=誕生日が基準

生まれた日は一歳

生まれた日は0歳
次のお正月(1月1日)で二歳になる。

次の誕生日に一歳になる

12月31日生まれは、翌日の1月1日に二歳になる

12月31日生まれは、翌日の1月1日は0歳(生後二日)

実生活には満年齢の方が実用的だと思いますが、改めて数え年を見てみましょう。

お正月の前に生まれたのか、後に生まれたのかで、誕生日が数日違いでも年齢は違ってしまいます。

現在、私たちは日常的に『満年齢』を使っていますが、日本で満年齢に統一されたのは昭和25年のことです。

それまでは、数え年で年齢をあらわしていました。歴史的に見ても満年齢を使い始めてまだ日も浅いのですね。

A.OTA
私の幼少時代は明治生まれの曾祖母はじめ、大正生まれの祖父が一家の中心だったので、私にとって数え年は日常でした。

このまま、年齢の話に脱線しそうなので戻ります。

衣装は?

七五三では着物の場合

三歳の女の子には被布、五歳の男の子には羽織袴、七歳の女の子は振袖(本裁ち四ツ身着物)を着るのが一般的です。

紐落としは四歳の男児は紋付羽織袴、女児は振袖を着ます。

男児・女児とも着物のサイズは「四ツ身」と呼ばれるサイズになります。

 

子どもの着物のサイズには「一ツ身」「二ツ身」「三ツ身」とあり、順に大きくなりますが、三ツ身までは胸に紐が付いています。

四ツ身からは紐を付けない仕立てになりますので、紐落としの語源ともいわれています。

細かいことを言いますと、四ツ身にも仕立て方が様々あり、「本裁ち四ツ身」といわれる仕立は身長が150㎝くらいまでのお子様は着られますので、後々もご着用頂けます。

四ツ身の着物を、大人になってから解いて縫い直して着られるように八掛を表生地を引き返して仕立てる方法など、仕立て方も随分と工夫されていました。

帯は袋帯(七寸)か結び帯ですが、結び帯を選ばれる際は体格に対して大きすぎないものを選びましょう、全国的に七歳用の大きい帯が多いので山陰地方のお店は四歳のお子様に合うサイズの帯を揃えてあります。

この他、趣向を凝らした衣装などもあります。お好みに応じて選ばれると良いでしょう。

準備するのは?

お嫁さん(お婿さん)の実家からお祝いとして送ります。

これは風習であって、必ずしもそうしなければならない訳ではなく、状況に合わせ両家の都合で決められると良いでしょう。

男児の羽織には婚家の家紋を入れます。

家紋のはなし~ルーツを探る~

パパママが子供のころに着られた着物を着せられるケースも増えています。

その場合は、クリーニングや「肩揚げ・腰揚げ」を改めてサイズ調整する必要も出てきますので、前もってご確認ください。

ひもおとし・七五三の準備~揚げはお済みですか?~

また近年はレンタルの需要も増えました。

当店の姉妹店であるhows photostudio(ハウスフォトスタジオ)でも毎年多くのご予約をいただいています。

ハウスフォトスタジオについて詳しくはコチラをどうぞ

hows_photostudio│753プラン

最近の様子

古くから、子どもの成長を願い感謝しお祝いとして紐落としをする文化の山陰でも、今では七五三との違いを理解されている方は少なくなり、更に数え年と満年齢との混同からか、「山陰では七五三の三歳しかしない」と勘違いされている方も多くなりました。

最近は転勤でこちらに来られた方や、ご遠方に嫁がれる方も珍しくないので、山陰から他県へ嫁がれた場合・他県から山陰へ嫁がれた場合と、文化風習の違いに戸惑われてご相談を受けることが増えました。

衣装も「三歳は被布」という七五三の三歳が強調され、紐落としの数えの四歳=満年齢で三歳=「三歳は被布」とパパママが安易に決めてしまわれ、振袖姿を見たかったおじいちゃん・おばあちゃんがとても残念がられるというケースもよくあります。

七五三は七歳で振袖姿をしますので、三歳の時は軽めの衣装でよいのでしょうが、紐落としは四歳一度きりなので、お子様のとっておきの晴れ姿を楽しみにしておられる方が多いです。

後悔のない様にお考え頂きたいところです。

お詣りの時期も年齢に縛られることなく、お子様の体調やご家族のご都合などを考えて決めてください。

特に数え年は同じ四歳でも誕生日によって満年齢に開きが出ますので、成長に合わせて翌年にされたり、満年齢でされるご家族もあります。

いつにされても間違いなどではなくご家族皆さまでお祝いされる日をお選びください。

まとめ

きもの永見では、ご家族様のご事情やケースバイケースでご納得のいくアドバイスを心がけております。

家族みんなが笑顔になれるお祝いをして頂くお手伝いをさせて頂きます。

CONTACT

TEL0859-39-1234

10:00-19:00/水曜日

written by A.OTA

きもの永見「美装流着付け教室」講師。 「着物でお出かけしてみたい」そんなあなたのお手伝いを致します。 着付け教室HP https://kimono-nagami.com/school/

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