鳥取県米子市で振袖・着物のレンタルやクリーニング・着付け教室はきもの永見

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浴衣 和文化 お知らせ

写真でわかる!簡単おしゃれな浴衣帯の結び方~基本のリボン編~

浴衣との帯合わせや帯結びの仕方などを変えると同じ浴衣でも全く違った雰囲気に変身できます。帯にこだわることで、浴衣姿はより魅力的になるのです。

浴衣を着るにあたって、「帯の結び方」も知っておくと、一人で浴衣を着ることができてとっても楽ちん。浴衣でおでかけのハードルが下がりますし、浴衣コーディネートの幅も広がります。

今回は、浴衣の帯としてよく使用される「半幅帯」や簡単に帯結びができる「へこ帯」の結び方についてご紹介していきます。

帯結びに必要な道具・便利道具

帯を結ぶ際に必要な道具や、持っておくと便利な道具、帯結びがさらに華やかになる道具などを説明していきます。

前板

半巾帯や兵児帯を結ぶ際、帯板を使うことで、帯の見た目がすっきりとします。
 
前板には差し込みタイプとベルトタイプ2種類ありますが、どちらをお使いいただいても大丈夫です。
通常の着物用の前板も使用できますが、さらに通気性の良いメッシュタイプもあるので、お好みに応じて選んでお使いください。

着物クリップ

着物クリップ(着付けクリップ)は、着付けの時に締めた帯を固定したりとあると着付けが楽になるアイテムです。帯結び用だけでなく、外出先でトイレの時に袖を止めたりと、一つ持っているととても便利なアイテム。挟む面にラバーが付いているタイプが布をいためることがないのでオススメです。

三重紐

三重紐とは平ゴムが三重になっている道具で、ゴムの間に帯を挟むことで様々な変わり結びができます。

画像のように真ん中が三重になっているゴム紐です。主に振袖用の飾り結びの際に使う道具で、浴衣の帯結びには無くても帯結び自体は可能ではあります。

ですが、三重紐を使えばアレンジの幅が大幅に広がります。人とかぶらないような帯結びをしたい方や、存在感の有るアレンジをしたい方におすすめの道具です。

浴衣用帯飾り/三分紐と帯留め

浴衣用の帯飾りは、帯の周りに加える装飾小物の総称です。 一つ加えるだけで雰囲気もまったく変わるので他の人とは違った着こなしをしたい方や浴衣姿をより華やかにしたい方にオススメのアイテムです。

▲浴衣用の帯飾りは、色とりどりの浴衣に合わせやすいよう色柄も豊富です。ゆらゆら揺れるモチーフだったり、夏らしく涼しげな透け感のあるトンボ玉など、個性的な飾りも多いです。

三分紐と帯留めは、浴衣に限らず着物用として使える道具です。三分紐(さんぶひも)とは、幅が狭めの帯締め。これに、帯留(おびどめ)と呼ばれるものを通して使います。

浴衣にアクセントを加えつつも、大人の女性らしい上品さもありますし、浴衣を着物風の装いにすることも出来ます。

▲三分紐と帯留めは入れ替えることが可能なので、翌年にはまた違った帯留めを新調したり、紐の色や帯留めの素材感など、組み合わせを変えてコーディネートをすることも可能です。

夏きものの小物のはなし~帯揚げ・帯締め~

帯や浴衣のお色に合わせてこれらの飾りをつけることでコーディネートの幅が広がります。

▼浴衣の着付けに必要な道具については、こちらにまとめています。

初めて浴衣を着る方もこれで完璧!ゆかたを着るのに必要な物リスト

「半幅帯」とは?

浴衣用の帯として最もメジャーなのが半幅帯。浴衣用だけでなくカジュアル着物にも使えるので、素材や色柄の種類が豊富でお好みにあった帯がみつかりやすいです。リバーシブルタイプの半幅帯も多くあるので、一つの帯で違ったコーディネートを楽しめます。

半幅帯

そして、帯結びのバリエーションが豊かなのが半幅帯の大きな魅力。基本の結び方さえ覚えておけば、自分の好みの結び方に簡単にアレンジできる点も、広く日常的に使われている理由のひとつです。同じ浴衣でも帯のアレンジが違えば印象も大きく変わるので、アレンジのコツをいくつか覚えておくと、浴衣の着こなしの幅が広がります。

浴衣

半幅帯の帯結びの基本

帯結びの基本 「手」と「たれ」とは

帯に裏表があることは知っている人も多いと思いますが、洋服で言う前後のようなものもあります。

それが帯を締めるときに使う「手」と「たれ」です。

「手」と「たれ」は帯結びの基本です。これらを理解して帯を結ぶことでややこしく見える帯結びがぐっと簡単になります。

基本の形が分かると、飾りの形をキレイに仕上げたり、思い通りに柄を出すことができたりとしますので覚えておきましょう。

「手」と「たれ」の位置

・帯の「手」とは…

一方向に向かって柄がある時、柄の向きに対して上側もしくは左側になる方を「手」にします。

半幅帯の場合、結ぶときに2つ折りにして使用する部分で、最終的に結び目の中心にきます。

・帯の「たれ」とは…

一方向に向かって柄がある時、柄の向きに対して下側もしくは右側になる方を「たれ」にします。

半幅帯の場合、最終的に、背中で帯結びの形になる部分です。

▲帯結びの結び初めは、画像のように手を肩に預けてたれ側を胴に巻きつける形になります。

半幅帯のどちら側が「手」?「たれ」?

基本的に、無地や総柄の半幅帯など、たれ先にのみ柄が入っている帯でなければどちらを手、たれにしても大丈夫です。
ただし、手の先の部分は予め真ん中で半分に折るため折り目が付きやすいので、2回目以降帯結びをする際は折り目がついている方を手とする、としておくと結びやすくなります。
たれ側に柄がついているものに関しては反対方向を手としてください。

画像

文庫結び

帯結びの基本的な「手」と「たれ」の位置を把握されたあとは、次は基本的な浴衣の帯の結び方「文庫結び」の方法についてご紹介します。浴衣を着る時の帯の結び方は様々ですが、この文庫結びを基本にして、様々な帯結びアレンジができます。

また、基本の結び方と一緒に、より簡単に、キレイに結べるポイントも説明しています。ポイントを抑えながら帯結びの基本を実演してみましょう。

手の長さを決める

一番最初に、「手」(結び目になる部分)の長さを決めて、真ん中から半分に折ります。文庫結びの場合、手の先から肩幅分くらいの長さを測り、そこまでの幅を半分に折ります。

写真のように、手先の折り目の山側が外になるようにして肩にかけておきましょう。帯は着物クリップで帯板、腰紐などに固定しても良いです。次に、体の前にある帯を三角形になるように折って帯を開きます。そのまま胴に一周巻いていきます。

※左右どちらから巻き付けても大丈夫です。自分が巻きやすい方向から結び始めましょう。

帯を胴に巻きつける

たれを胴に一回巻きます。この時、最初に折った手の長さがずれないように気をつけます。

また、胴に帯を巻くときは帯ではなく自分自身が回るようにして帯を巻きつけると位置がずれにくいです。(後ろは最終的に回して正面の位置に来ます)

一周したら、同様にもう一回巻きます。

次は巻き付けた帯を一度締めます。

手先からおろした部分(三角形の下の部分)を片手で持ち、1周巻いた後の残りの帯の下部分を反対の手で持って、左右に少し引っ張り緩まないように帯を締めます。下部分を持って締めることで、みぞおち部分にゆとりが生まれ胸が苦しくなりにくいです。

ポイント①帯が緩まないコツ

一度締めた時点で、たれの下の位置で一周目ごとまとめて着物クリップで止めておくと、帯が緩まずに次の手順に進めます。

ひと結びする

クリップでたれの下線を止めた跡、たれの下側を、脇から斜めに折り上げます。

この手順を挟むと結び目に余計なシワが寄りにくくなります。

次に、手を反対側に寄せて、そのまま手でたれを上から巻いてひと結びします。

ポイント②帯が真ん中に来るコツ

肩にあずけていた手をたれに巻き付け締める前に、反対側に寄せておくと帯の位置が中央になるように結びやすくなります。

羽根を作る

帯をひと結びした後、たれの一番端(たれ先)から肩幅分くらいを測り、羽根の長さを決めます。

測った長さの幅で、屛風たたみ(蛇腹折り)で折りたたみます。

畳んだ羽根の中央にひだを作り、ひだの上に手を被せながらひと結びします。

ひだは上に来る部分の真ん中に溝を作るようにして、M字の形を意識して作ってみましょう。

結ぶ時は、手でひだと結び目を一緒に巻き、キュッと締めます。

その後、手先を帯と帯板の間に入れます。(差し込むタイプの帯板を帯の一巻目と二巻目に入れている場合は、浴衣と帯の間に入れて下さい)

手先を帯の下に引き抜き、結び目の位置を固定します。結び目が帯の上に乗っている状態がベストです。

帯の下からはみ出ている手先は内側に折り返していきます。

折り返した手先はくるくると巻いて帯の中へ入れます。

小さく折り返した手先を結び目の下に入れることで帯結びの土台となり、羽根が倒れることなくしっかりと立ちます。

羽根を整え、帯を回す

手先の始末ができたら、羽の形を整えていきます。上の羽根と下の羽根をずらすように広げるとリボンが大きくなって華やかになります。

ポイント③羽根を整えるコツ

上から見ただけではどんな形かがわかりにくいので、鏡を見ながら好みの形に整えましょう

羽の形を整えたら次は前で結んだ帯を背中側に回していきます。

回し方にも方向が決まっていて、右手で結び目を、左手で帯の下を持って右方向に回します。

※反対側(左方向)に回すと浴衣が着崩れしやすくなります。必ず上の写真のように右方向から回して下さい。

※帯板が一緒に回らないように注意が必要です。

ポイント④帯を回すコツ

帯を後ろに回す前に、右側の袖を腕に巻き付けておくと帯が引っかからずにスムーズに回せます。

鏡で帯の位置が背中の中心にあることを確認し、前帯も整えて完成です。

 

仕上がりcheck

・羽根が左右対称に広がっているかを確認しましょう。

・羽の大きさや向きはお好みで大丈夫です

・結び目が胴に巻いた帯の上にきちんと乗せるように気をつけましょう。外れているとだらしなく見えてしまったり、着崩れの原因になるので注意が必要です

帯はそれぞれ厚みや長さが少しずつ異なることがあり、同じ結び方をする時でも微妙な調整が必要です。初めての帯で結ぶ時は一度練習しておくと安心です。

 

「兵児帯」とは?

一般的に大人の女性の浴衣用の帯というと半幅帯のような幅が狭くハリのある帯を使用することが多かったのですが、近年は兵児帯も人気を集めています。

兵児帯の発祥は薩摩(現:鹿児島県)です。薩摩では15歳以上25歳以下の青年を「兵児」と呼び、その兵児にあたる若い薩摩藩士たちがしごき帯を使用して帯刀していたことから、薩摩ではしごき帯を「兵児帯」という名称で呼んでいたとされています。

薄手で柔らかい素材の兵児帯は結びやすく、普段着物を着ない方でも簡単に結ぶことができるため、お子様が浴衣を着るときには、着付けが簡単かつ着崩れてもすぐに直せる、またかわいく演出できることから重宝している親御さんも多くいらっしゃいます。

子供用の浴衣帯としてメジャーな兵児帯ですが、最近は簡単に、華やかな帯結びが出来るという点が注目を集め、大人の女性用の兵児帯も増えてきています。

兵児帯の結び方

幅の中心で半分に折る

兵児帯は半幅帯に比べ幅が広いので、最初に帯の幅を半分に折っていきます。

半幅帯同様に手先の長さを決め、半幅帯同様、手先の折り目の山側が外になるようにして肩にかけておきましょう。

今回は手先が約110cmほどの長さで帯結びを作ります。手先の長さを変えることでボリューム感も変わるので、慣れてきたら調節しながら帯結びをしていきましょう。

帯を胴に巻きつける

半分に折った帯の輪の方を下にして、たれ側を胴に巻き付けていきます。一周目が終わったら二週目も同様に巻き、たれの下側と手先を持ってキュッと引きます。

一度帯を締めたら下をクリップで止めると緩まずに次の動作に進めます。

たれの下側を脇から斜めに折り上げ、手先は反対側に寄せておきます。肩に預けていた手先は下ろします。

そのまま手でたれを上から巻いてひと結びします。

ここまでは、半幅帯の結び方と同じ要領で結べます。

羽根を作る

次は羽を作っていきます。結び目の根本から、一度折られていたたれを写真のように広げていきます。

次に、たれ先を持って屏風たたみ(蛇腹折り)にしていきます。最終的なバランスが左右均等にしたいときは同じ幅で畳んでいきますし、アシンメトリーな帯結びにしたいときは畳む幅を変えることも可能。

畳んだ羽根の中央にひだを作り、ひだの上に手を被せながらひと結びします。

手でたれをひと結びする際、手をすべて引き抜かないように気をつけつつ、手の一部を羽根にするような形で引き抜きます。

手の端の方は引き抜いてしまわないように残しておきます。

手先の始末

引き抜かずに残した方の手先を先程のたれのように根本から広げていきます

広げた手先を折り返し、羽根にしていきます。この時、リバーシブルの兵児帯であれば裏の色や柄を出すように反対側で羽根を作ったりというアレンジもできます。

羽根の形にならない、手先の余った端の部分は帯と浴衣の間にしまいます。

手先で作った羽の部分を整えます。

全体の形を整え、帯を回す

手先の始末をする際に上に上げていた羽根をきれいな形に整えていきます。

 

羽の形を整えたら次は前で結んだ帯を背中側に回していきます。

回し方も半幅帯の帯結び同様、右手で結び目を、左手で帯の下を持って右方向に回します。

※帯を後ろに回す前に、右側の袖を腕に巻き付けておくと帯が引っかからずにスムーズに回せます。

仕上がりcheck

・兵児帯の帯結びは半幅帯ほどハリが有るわけではないので、羽根を整える時に、きっちり折るよりもふんわりと広げるイメージで整えると華やかでボリュームのある仕上がりになります。
・左右どちらかにボリュームが偏りすぎないよう、鏡越しに全体のバランスを整えましょう。

兵児帯は、半幅や普通の帯と違って芯が入っていないので自由になる半面、緩みやすく崩れやすいので注意しましょう。必要であれば、仮紐や前板などを用いてしっかりと締めておくことも大切です。

まとめ

半幅帯と兵児帯、2つの浴衣用の帯結びについて説明しました。

浴衣用の帯の種類に関してはこちらの記事でも詳しく説明しています。

兵児帯や半幅帯の結び方をマスターして、今年は夏の着物や浴衣を気軽に楽しんでみてはいかがでしょう?

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written by TAKAHASHI

文化学部卒業後、和文化に興味を持ち地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。

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