『お嬢様が嫁がれ、若い夫婦はまだ「ふくさ」や「風呂敷」を準備していないから持たせたい』ということでした。
現代では、日頃から生活の中で風呂敷を使用するシーンが少なくなってなってきていますので、いざ使う場面になり
「そういえばこんな時に風呂敷いるよね。」
「ご祝儀袋(お香典袋)むき出しは良くないよね」
など、気が付かれることが多いようです。
実際、すぐに使いたいからとお求めになるお客様も増えています。
特に、不幸は予定なくやってまいりますので、お祝いごとも悲しみごともいつでも対応できるようにご準備されるとご安心と思います。
ご両親が子を思うお気持ちでご準備され、マナーとして必要なことも教えて差し上げれば、若い世代の方々も ”いざ” の瞬間も安心して迎えられますね。
(茶道でも「ふくさ(帛紗)」はおなじみですが、ここでは慶弔で使う「ふくさ(袱紗)」です)
風呂敷のサイズとは?
風呂敷には様々なサイズがあります。
今や「他所様へご挨拶に伺う」ときに持参する手土産も、買ったお店の包装紙に手提げ袋のままという時代になりました。
そのような時代にこそ、包装紙の上から風呂敷に包みお渡しするという所作が丁寧な印象になること間違いなしです。
手土産程度のお菓子の箱を包むには二巾の風呂敷だと四隅をかけるだけで結びません。
二四巾だと箱の短い辺をくるりとかけ、長い辺を結ぶことができます。
「何かと使い勝手が良い風呂敷のサイズは二四巾」と、よく言ったものでした。
婚礼のお道具として準備をされるなら
縮緬の中巾・二巾か二四巾・白山紬の三巾の三種類を必須として、家紋と名前を入れて(中巾は名前のみ)のご準備となります。
色は慶弔両用に使える無地の紫色・利休色(緑がかった薄茶色)・鉄紺色(わずかに緑がかった紺色)などが使いやすいと言われます。
この他、木綿の五巾や六巾を一緒に揃えられるところもありました。
木綿の風呂敷には鳳凰や吉祥模様が藍染で染められているものをよく目にします。
現代では風呂敷の出番も少なくなりましたので、必要なサイズを考えてお求めになればよろしいかと思います。
色柄も可愛らしいものがたくさんありますので、お好きな柄物にされて風呂敷として使わないときはインテリアとして飾られても良いですね。(不祝儀で使用するときはふさわしいものをお選びください)
ふくさ(袱紗)とは
「ふくさ」と検索すると
ふくさ
物を包んだり、進物の上に掛けたりする方形の儀礼用絹布。本項で説明。
茶道で茶道具を拭い清めたり、茶碗その他の器物を扱うのに用いるおよそ縦9寸、横9寸5分の絹布。帛紗
一般的に「ふくさ」と呼ばれる布は中巾の風呂敷のことです。
他に「台付ふくさ」と呼ばれる、中央に台が入っているタイプもお馴染みかと思います。
さて、この「ふくさ」ですが、現代では「慶事・弔事に金封を包むもの」としての役割に使われていると思います。
結納などに使われるときはお盆にかける大きな家紋入りの「掛け袱紗」もあります。
左:綴れ織り 右:染め
サイズもお盆の大きさごとに用意するのが良しとされていました。
「広蓋」と呼ばれる大きなものから順に「万寿盆」「進物盆」「切手盆」とあります。ご祝儀袋を載せるお盆が切手盆です。
絵柄が表で家紋が裏です。(片面が無地なものは家紋が表)
黒塗りのお盆に結納金を包んだ金封や目録を載せ、袱紗をかけ、風呂敷でお盆ごと包みます。
きもの永見でも、少し前まで「爪折り本綴れの袱紗」のご注文を頂いておりました。
使われないときは額装して飾る方もありました。
今では結納そのものもあまり聞かなくなりましたので目にする機会もないかもしれません。
ちなみに私が日頃から愛用している風呂敷は三巾(105センチ)の唐草模様です。着物一式をぐるっと包むにはちょうど良いサイズです。
法曹界では今でも風呂敷が現役で使われているようですが、日常生活で風呂敷を使うシーンはあまりないかもしれません。
よく、使用する直前になってから慌てられてのお問い合わせをお受けします。
ご自分が、そして大切なご家族が困らないためにも「風呂敷・ふくさ」を お忘れありませんようにご準備くださいませ。きもの永見がお手伝いさせていただきます。
家紋についてはこちらも御覧ください。
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written by A.OTA
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