第一段記事はこちら
第二弾記事はこちら
振袖と訪問着、道具の違いは?
前々回、振袖の着付け道具をご紹介しましたが、実は、
使う道具はほとんど一緒なんです。
大きく言えば、振袖着付けの道具から「後板」と「三重紐」を除けば、それで訪問着の着付け道具はすべて揃ってしまいます。
また、若い方であれば、帯をお太鼓ではなく振袖のように変わり結びにすることがあります。
その時は後板と三重紐も使います。
ですので、振袖着付けの道具を揃えておられたら、そのまま訪問着を着るときにも流用できるというわけです。
とはいえ、必要な数は若干変わってきますので、改めてご紹介していきます。
1~8.着物の表面に見えるところ
はじめの画像①です。
訪問着は振袖とは違い、基本的にお呼ばれなどの席に来ていく着物です。
振袖のように「私が主役!」と主張するのではなく、場の雰囲気を重んじて選ぶと良いでしょう。
その上で、似合うもの・お好きなものを選ぶと良いですね。
例えば…
◉お子様がおられる若いお母様なら
お子様の入学式・卒業式などで、洋装のフォーマルと並んで違和感がないような
◉ご親戚などの結婚式にご出席されるなら
昨今、結婚式のスタイルは多様化していますが、招いて頂いた方へ礼節を重んじられるような
ものが良いかと思います。
とはいえ、その場その場似合わせて何枚も訪問着を作るのは難しいかと思います。
「これか訪問着を作ろうかな?」とお考えの方には、どんな場所にも着ていけるものを選ぶことをオススメいたします。
2.長襦袢
画像の②です。
画像では衿しか見えていませんが、着物の下に着ています。
長襦袢は半衿が付いているか、また汚れていないかを確認してください。
半衿とは、長襦袢の襟の部分に縫い付ける付け衿のことです。
長い間着ていなかった長襦袢の中には、皮脂やファンデーションなどが黄ばみや汚れとなって出ているものがあります。
古い半衿と新しい半衿の付け替えも承っていますので、お気軽にご相談くださいね。
はじめの画像の③です。
帯は基本的に金・銀の袋帯で二重太鼓をされると間違いないです。
例外的に、名古屋帯の中でも「綴れ帯(つづれおび)」の一重太鼓は袋帯でなくても締めて頂けるときもあります。
綴れ帯を締める場合でも色は金・銀が鉄則です。
4.帯揚(おびあげ)
はじめの画像④、帯の上に来ます。
帯揚の選び方としては、訪問着の地色に馴染むような、やんわりとした色のものを選ぶと良いです。
5.帯締・帯〆(おびじめ)
はじめの画像の⑤の帯の真ん中に来ます。
帯揚と同じく、訪問着に馴染み、あまり存在感を強調させないような色を選ぶと良いかと思います。
6.重衿(かさねえり)・伊達衿(だてえり)
はじめの画像の⑥、着物と長襦袢の衿の間に一色入る衿です。
基本的には入れて頂いて、帯揚・帯締と共にコーディネートしてもらうものです。
ただし、例外的に、重ね衿を入れていると少し暑苦しく見えてしまう夏の時期やシチュエーションによっては必ずしも必要というわけではありません。
着付け小物の⑫伊達締めと間違えることがあるので、注意です。
7.草履・バッグ
基本的に、金や銀の草履バッグが、訪問着に合わせて頂けるいわゆる”フォーマル”なタイプです。
カジュアルなタイプや振袖用のカラフル華やかなタイプは訪問着ではNGなので、お気をつけください。
「どれがカジュアルで、どれがフォーマルなの?」ということについては↓の記事の冒頭で触れています。
8.髪飾り
髪をアップにしてまとめるならあったほうが良いかと思います。
振袖ほど大振りなものでなくてもいいですので、訪問着の雰囲気と調和するものを選ばれるとご安心です。
9~16.着付け小物
9.肌襦袢(はだじゅばん)・肌着・きものスリップ
長襦袢の下に着る下着です。
ワンピースタイプや上下が分かれたセパレートタイプ(肌襦袢・裾除け)がありますが、どちらでも変わりなくお使いいただけます。
お店によっては「きものスリップ」という名前で置いているところもあります。
10.衿芯
長襦袢の衿部分に入れることで衿に芯が通り、キレイに整えることができます。
画像のようなプラスチックのタイプや夏に涼しいメッシュタイプなど、いくつか種類があります。
プラスチックタイプを用意しておけば、訪問着以外の着物でもマルチにお使いいただけます。
11.足袋(たび)
足袋のサイズは、ご自身の足のサイズと同じものを選ぶと良いです。
ただし、足のサイズに対して足首に太さがあったり、甲に高さがある方は、ストレッチが利くタイプを選んだほうが快適に過ごせますよ。
色の種類として、白や色のついた足袋、最近ではレース足袋なども登場していますが、振袖・訪問着など礼装で着用する場合は原則、白足袋を履くのが正式です。
12.腰紐
腰紐は4~5本ほどご準備していただけたら足りるかと思いますが、着られる方の体型によっては多少、本数が変わる可能性があります。
着付けされる美容院さん等と事前にご相談されるとご安心ですよ。
13.伊達締め・伊達〆(だてじめ)
伊達締めは腰紐の上から結んで腰紐を安定させる役割があり、2本使います。
画像が、上から主に見かける正絹、化繊、ゴムの3タイプです。
それぞれ使い心地やお値段など変わってくるので、どのタイプにされるかはお考え次第です。
お太鼓の形を整えて帯の着崩れを防ぎ、キレイに保つために使います。
枕の両単に紐がついていないものは、ガーゼなどで包んで画像のようにして使います。
15.コーリンベルト・きものベルト
ゴム紐の両端にクリップが付いた道具です。衿の着崩れを防ぎ、キレイに整えます。
着物のみで1本使う場合、着物と長襦袢で2本使う場合、また無くても大丈夫という場合…と、こちらも美容院さんによって違うことがあります。
腰紐とあわせて事前に確認しましょう。
16.前板
帯の下で土台となる道具です。
前板を締めることで帯の表面にハリが出てキレイに見えます。
多くの方がお持ちのものだと、画像のようにベルトが付いたタイプか、板のみの差し込みタイプがあります。
どちらでも変わりなくお使いいただけます。
17.補正パッド・フェイスタオルなど
着物は寸胴の体型の方かキレイに仕上がるので、体の凹凸を少なくするために補正をしていきます。
◉補正パッドという着物用の体型補正アイテムを使う
◉薄手のフェイスタオルを折り畳んで補正にする
◉脱脂綿などを適量ずつちぎって使う
など、補正に使う道具ややり方は美容院さん・着付師さんによって多種多様です。
⑫腰紐、⑮コーリンベルトと共に、着付けされる美容院さんなどに確認されるのが確実です。
という方でも大丈夫。きもの永見ではレンタルの訪問着を多数ご準備しています!お好みや年齢、立場に即した訪問着をご提案いたします
という方もご安心ください。一度きもの永見にお持ちいただければ、スタッフがコーディネートやアドバイスなど丁寧にご相談にのらせていただきます!
こちらもご覧くださいませ。
きもの永見SNS
記事を見て頂きありがとうございます。
他にもきもの永見公式HPやきもの永見インスタグラム、公式ツイッターにも写真や情報を載せておりますのでこちらもチェックをお願いします。
CONTACT
written by ISHIKURA
歴史学科卒業後、地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。