草履はどの着物にも合わせられる?フォーマル/カジュアルとは

オリジナリティを追求することを信条としている、きもの永見着付け教室の太田です。
草履バッグセット
先日、お電話でのお問い合わせで『セットで買った草履』についてのご相談がありました。
その方がおっしゃる“セット”というのは、バッグと草履が対でセットになったものとのことでした。
「セットで買った草履はどんな着物に履けますか?」とのご質問。
セットといっても色々なタイプがありますので確認したところ、フォーマルなタイプのようでした。
▲お電話だったのでイメージ写真。フォーマル草履バッグです。
これだけ聞きますと、単純にフォーマル草履なら一般礼装向きで訪問着・付下げ・色無地に着用といった回答になります。
しかしお話を聞いて行きますと、お仕事を退職されてから毎日着物を着て過ごしていらっしゃるそう。
私も思わず「わぁ、素敵なことで羨ましいです。」と気がついたら言っておりました。
今、履いている草履がそろそろくたびれてきたのだけれど、年齢的にも今更新調までしなくても手持ちのものを使いたいとのこと。
そこで、お持ちだったのが「セットの草履」。
バッグは持たなくても、草履は使えないだろうかとご質問でした。

お電話で、現品を見ることができないので微妙に難しいのですが、とにかく日常使いをなさりたい旨は伝わって来ました。
厳密に言えば日常使いならカジュアル草履ですが、ご相談の内容を伺えば 「フォーマル草履をどこまで日常にカジュアルダウンできるのか」 でした。
ここで少し、草履の「フォーマル」~「カジュアル」の違いを。
フォーマル向き草履
フォーマルは黒留袖・訪問着・色無地などですね。
金糸・銀糸の袋帯をされる時に履かれる草履とお考えいただければ良いかと思います。
台の色は 金・銀・白 で鼻緒にも金銀が入ったものが代表的です。
かかとの高さも重要になってきます。
写真の様に三段、四段のものもあれば、切り替えなしの一段でかかとの高いものもあります。
お洋服と一緒で、フォーマルにはヒールの高い靴を合わせるという感覚ですね。
礼装にはある程度の決まりごとがあるので、格調を感じられるものなら良いと思います。
カジュアル向き草履
それに引き換え、カジュアル草履と考えると範囲がかなり広くなってきます。
大島紬の鼻緒
カジュアルでも優しい雰囲気ですね。
やわらかい雰囲気の小紋・色無地・紬など、どんなタイプの着物にも合わせやすい草履の一つです。
印伝の鼻緒
キリッとした印象です。江戸小紋や紬など似合いそうです。
濃いめの地色の着物や、アクセントをしっかり付けたコーディネートの時に重宝しそうな一足です。
そして、カジュアル寄りの草履は、かかとも高すぎないものが多いように思います。
(かかとが高いとダメなわけではありません。)
組み織りの鼻緒
全体にクールな印象の草履です。
大島紬や結城紬に代表される紬や濃いめの小紋、色無地(しゃれもの帯で)などの他にも、ダーク系のセミフォーマルまで合わせていただけます。
カジュアルは、お好みや個性で幅広く変化します。
決まり事もありますが、承知の上で崩して着ることもご自身の好みでされる分には、ある意味何でもOKだったりします。
カジュアルな日常の着物には下駄を履くこともあります。
気になる決まりごと
さて、先程のご相談「フォーマル草履を日常使いに」です。
私の回答と致しましては、金銀が使ってあるものでしたら紬の着物には履かれないほうがよろしいかと思いますが、染の小紋や色無地にしゃれ帯などはお使い頂けると思います。
ただし、ご自分がなにか違和感を感じたりコーディネートとして合わないと思われる時はやめたほうがよろしいかと思います。

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written by A.OTA
きもの永見「美装流着付け教室」講師。 「着物でお出かけしてみたい」そんなあなたのお手伝いを致します。 着付け教室HP https://kimono-nagami.com/school/