夏祭りや花火大会に向けてせっかく素敵な浴衣を選んでも、下着のラインが透けて見えたり、暑かったり、着心地が悪くてソワソワしたり…なんてことになったら、気分も半減してしまいますよね。実は、浴衣姿をより美しく、そして快適に楽しむためには、浴衣に合わせた下着選びがとっても大切なんです。
「浴衣の下って、何を着ればいいの?」「普段の下着じゃダメなの?」そんな疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、浴衣の下着選びの基本から、透け防止のコツ、快適さを叶える素材選び、そして美しい着姿を作るための「補正」の秘密まで、浴衣を楽しむために知っておきたいポイントをぎゅっと凝縮してお伝えします。
これであなたも、自信を持って浴衣美人デビューできますよ!
目次
浴衣の下着、基本のキ!何を着ればいいの?
浴衣を着る時、「何を着ればいいの?」と迷う方もいらっしゃるかもしれませんね。基本的な流れは、下着 → 肌着 → 補正 → 浴衣 の順です。
「え、普段のブラジャーとショーツじゃダメなの?」と思うかもしれませんが、実は浴衣には普段の下着が不向きな理由があるんです。
「透け」と「ライン」に要注意!普段の下着が不向きな理由
浴衣は裏地のない薄手の生地がほとんどなので、洋服よりも下着のラインや色が透けて見えやすいんです。特に、白や薄い色の浴衣は要注意!
- 色の濃い下着は透ける原因に!
紺や黒といった色の濃いブラジャーやショーツは、どんな色の浴衣でも透けやすい傾向にあります。お肌のトーンにもよりますが、白やベージュやグレージュ系など、肌に近い色の下着を選ぶのが透け防止の鉄則です。 - レースや装飾はラインに響く!
せっかくの浴衣姿も、ブラジャーのレースやショーツのリボンが浴衣の上から浮き出てしまったら台無しですよね。装飾が少なく、シームレス(縫い目がない)なタイプの下着を選ぶと、浴衣のラインに響かず、スッキリと着こなせます。
浴衣に合うブラジャーの選び方
洋服の場合、バストを高く、丸く見せるブラジャーが良いとされますが、和装においては胸元がなだらかで、いわゆる「寸胴(ずんどう)」の体型が美しいとされています。そのため、普段お使いのワイヤー入りのブラジャーや、胸を盛るタイプのブラジャーは浴衣には不向きなんです。
そこで活躍するのが、以下のブラジャーです。
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- 【断然おすすめ!】和装ブラジャー
浴衣の着姿を最も美しくしてくれるのが、和装ブラジャーです。胸の膨らみを優しく抑え、平らな胸元を作ってくれるので、美しい寸胴シルエットを叶えてくれます。中には、胸元に補正用のポケットが付いているタイプもあり、タオルなどを挟む手間なく自然な補正ができる優れものです。
- 【断然おすすめ!】和装ブラジャー
- 和装ブラがなければ「ノンワイヤー」「スポーツブラ」
もし和装ブラジャーが手元にない場合は、ワイヤーの入っていないスポーツブラジャーやノンワイヤーブラジャーで代用できます。胸の形を強調しすぎない、シンプルなデザインを選びましょう。
浴衣に合うショーツの選び方
ショーツもブラジャー同様、ラインが響きにくいものを選ぶのがポイントです。
- おすすめは「シームレスショーツ」
縫い目のないシームレスショーツは、浴衣の薄い生地の上からでもラインが浮き出にくく、スッキリとした着こなしが叶います。レースやフリルなどの装飾がない、シンプルなデザインを選びましょう。
透け・汗対策に!浴衣用肌着(スリップ)の賢い選び方
ブラジャーとショーツの上に、さらに浴衣用の肌着(スリップやキャミソール) を着るのが、浴衣を美しく快適に着こなすための基本です。
浴衣用肌着を選ぶ時の3つのポイント
- 襟ぐりの深さ
浴衣は襟を抜いて着るので、特に後ろの襟ぐりが深く開いているものを選びましょう。前後ともに襟ぐりが開いている和装用のスリップやキャミソールタイプがおすすめです。洋服用の肌着だと、浴衣から見えてしまうことがあるので注意が必要です。 - 涼しい素材で快適に!
夏場の浴衣は、やはり暑さが気になりますよね。肌着は汗を吸い取り、蒸れを防ぐ大切な役割があります。- 綿や麻素材:吸湿性・通気性に優れ、肌触りも良く快適です。
- 近年開発された涼感素材:通気性が高く、汗をかいても肌に張り付きにくいものが多く販売されています。 これらの素材を選ぶことで、長時間浴衣を着ていてもサラッと快適に過ごせます。
- 透けにくい色を選ぶ
肌着も浴衣のすぐ下に着用するので、色が透けて見えてしまうことがあります。白や肌色(ベージュ系) であれば、万が一透けても清潔感があり、目立ちにくいので安心です。黒いスパッツなどを下に着てしまうと、浴衣の上から足のラインがくっきり見えてしまうこともあるので気をつけましょう。
浴衣用肌着の種類と代用品
和装用の肌着には、大きく分けて二つのタイプがあります。
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- ワンピースタイプ肌着
トップスとボトムスが一体型になった肌着です。これ一枚で下着の役割と補正の土台としての役割を果たすので、とても簡単に着られるのが魅力です。
- ワンピースタイプ肌着
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- 二部式肌着(肌襦袢+裾除け・ステテコ)
上は肌襦袢(はだじゅばん)、下は裾除け(すそよけ) というように、上下に分かれているタイプです。ワンピースタイプと比べて、丈や身幅の調節がしやすいのが特徴です。 裾除けの代わりにステテコを選ぶこともできます。ステテコは足さばきが良いので、たくさん歩いたり、踊ったりする方におすすめです。ただし、白い浴衣や透け感の強い浴衣だとラインが透けて見える可能性もあるので、その場合は裾除けを選びましょう。
- 二部式肌着(肌襦袢+裾除け・ステテコ)
- 代用品を使うなら素材に注意!
もし和装用の肌着が準備できない場合、キャミソールやペチコートで代用することもできます。ただし、化学繊維のものは静電気が発生しやすく、汗ばんで足にまとわりつきやすいというデメリットも。できるだけ、吸湿性・速乾性のある天然素材や、涼感機能のあるものを選ぶのがおすすめです。
浴衣姿をさらに美しく!下着+「補正」で寸胴美人になる秘訣
浴衣姿をより美しく見せるために、実は「補正」が欠かせません。和装では、洋装とは異なり、胸元は鳩胸に、そしてウエストにはくびれが少ない「寸胴(ずんどう)」の体型が最も美しいとされています。
体の凹凸が大きいと、帯の上に胸が乗ってしまったり、変なシワができてしまったりして、見た目が太って見えたり、老けて見えたりすることもあります。
基本の補正方法
体の凹んでいる部分にタオルなどを巻いて、寸胴になるように整えるのが基本的な補正方法です。
- タオルを2~3枚用意:一般的なフェイスタオルでOKです。
- 背中のくぼみを埋める:タオルを縦半分に畳み、さらに蛇腹に畳んで、背中のウエストの一番くぼんでいる部分に当てます。
- 上から押さえる:もう一枚のタオルを縦半分に畳んで、蛇腹に畳んだタオルを上から押さえるように、後ろから前に向かって体に一周させます。
- 腰紐で軽く固定:タオルを一周させたら、前から腰紐で軽く結んで固定します。この時、きつく結びすぎると苦しくなるので、あくまでタオルがずれない程度に軽く結びましょう。
ご自身の体型や厚みに応じて、タオルの枚数や折り幅は調整してくださいね。補正がない方が綺麗に見える場合もあるので、鏡で確認しながら調整しましょう。
補正用の便利アイテム
タオルや腰紐の他に、以下のような補正用の便利アイテムもあります。
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- 和装用補正着・腰パッド
タオルを巻く手間なく、簡単に寸胴シルエットが作れる補正着や、メッシュ素材の腰パッドなどがあります。手軽に補正したい方にはおすすめです。
- 和装用補正着・腰パッド
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胸が大きい方の補正ポイント
通常の体型の方であれば腰にタオルを巻く補正で十分ですが、胸が大きい方で、どうしても帯に胸が乗ってしまうのが気になる場合は、いくつか方法があります。
- さらしやタオルで胸元を押さえる
さらしやタオルを使い、胸の膨らみを優しく押さえて平らにする方法です。バストとウエストの凹凸差が少なくなり、スッキリした見た目になります。ただし、きつく巻きすぎると苦しくなったり、たたみ方によっては逆に厚みが増してしまうこともあるので注意が必要です。 - 和装用補正ブラジャーの活用
胸が大きいのが気になるけれど、さらしなどで苦しくなるのは避けたい…という方には、やはり和装用補正ブラジャーがおすすめです。着ていても楽で、簡単に、そして綺麗に胸元を押さえてくれるので、とても重宝しますよ。ご自身のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。
浴衣の下着選びはこれで完璧!
浴衣を美しく、そして快適に着こなすためには、浴衣に合わせた下着選びが本当に重要です。透けやラインが気にならない色やデザインを選び、吸湿性や通気性に優れた素材を選ぶことで、夏の暑い日でも心地よく過ごせます。
そして、和装ならではの「補正」を取り入れることで、あなたの浴衣姿はさらにワンランクアップするはずです。この夏は、正しい下着選びで自信を持って浴衣を着こなして、最高に楽しい思い出を作ってくださいね!
written by ISHIKURA
歴史学科卒業後、地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。



