鳥取県米子市で振袖・着物のレンタルやクリーニング・着付け教室はきもの永見

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振袖 和装小物 お知らせ

着物の襟や振袖用の重ね衿はどう使う?新作重ね衿やコーディネート例もご紹介!

成人式や二十歳の集いなどで着用する振袖。振袖にはいくつか必要なアイテムがあります。

その中でも、お顔に近い位置に入れる「重ね衿」は、どんな色を入れるかによってお顔の印象もぐっと変わってくるアイテムです。

そのため色のバリエーションも豊富にあり、最近は重ね衿にフリルやパールといった装飾を取り入れるのも流行しています。  

  

ただ着付けに必要な道具というだけでなく、振袖のコーディネートを組み立てるのに重要な重ね衿。今回は重ね衿について、最新アイテムやコーディネート例も含めてご説明していきます。

重ね衿とは?

振袖に使う重ね衿(伊達衿)とは

重ね襟とは別名を「伊達襟」と呼ばれる着物の装飾アイテムです。成人式などで振袖を着用する場合は帯揚・帯締め同様に必ず必要となるアイテムです。着物を着た時に襟の部分に付けることで、何枚もの着物を重ね着しているように見せられます。

重ね衿とは振袖を着た首元を華やかに見せる、豪華に見せるためのもので別名を「伊達衿(だてえり)」とも言います。

かつては、和服の礼装は十二単(じゅうにひとえ)のように、何枚も着物を重ね着する習慣がありました。これには「幸せが何重にも重なりますように」という願いが込められています。現在では振袖のような礼装であっても略式で重ね着はしませんが、現代ではその略式礼装として重ね襟を使うようになりました。そのため、振袖だけでなく、結婚式や入学・卒業式などのおめでたい場で訪問着や色無地などに合わせて使用することもあります。

訪問着など、フォーマル着物に合わせる重ね衿

訪問着

訪問着などのフォーマル着物を着る際は重ね襟によって着物の高級感が増しますが、振袖着用時とは異なり必ずしも付けなければならないものではありません。

フォーマルな着こなしの中で使われる際はなるべくきものや帯の色と同調するような色を選び、統一感を重視した方が場の雰囲気に合った着こなしになります。

フォーマルの着物は淡い色合いのものが多いので、柔らかい色目のものをひとつ持っておくと他の色無地などでも使用できることが多いです。逆に、振袖用のようなはっきりとした、目立つ色の重衿は他の着物に合わせるのが難しくなる場合も。

重ね衿などの小物選びの際は、お持ちの着物一式を写真に撮って、他の着物にも合う雰囲気で探せば汎用性の高い重衿を選ぶことが出来ます。写真があればお店の人のアドバイスもより具体的に提案してもらえるので、おすすめの方法です。

要注意!重ね衿と半衿の違いとは?

重ね衿と形が似ているアイテムに、半襟があります。

▼画像左が刺繍半衿。画像右が重衿。

よく半衿と重衿を間違えて購入してしまったという体験談をお聞きします。当店でも、半襟のつもりで重ね衿を持ってこられる方も多いです。半襟と重ね衿はそれぞれ用途が異なり、半襟は肌に直接触れる部分に来る一方で、重ね襟は着物と半襟の間に来ます。

半襟は1枚の布でできている一方、重ね襟は裏地付きと仕立ても異なると言えるでしょう。

もし判断がつかない場合は、実物を持ってお近くの呉服店に聞きに行くのが確実です。

半衿の状態は大丈夫?着用前に確認しましょう

半襟は長襦袢の襟に縫い付けて襟の汚れよけとして活用するため全ての着物に必要な道具です。基本的に長襦袢に縫い付けてあることがほとんどですが、クリーニングの際外されていたり肌に当たる部分が変色していたりという可能性もあるので、自宅の長襦袢を使う際は半衿の状態を確認しておきましょう。

振袖用重ね衿の種類 最新作も

振袖用の重ね衿は、昔ながらの単色のものから、金のラインが入ったものや2~3色を重ねたようなものなど、幅広く展開しています。さらに近年ではレースやパール、つまみ細工の付いた個性的なタイプもお顔まわりが華やかになる!と大変人気を集めています。

特にお母様やお姉様の振袖にレース系・パールなどの重ね衿を合わせると一気に最新の雰囲気になるので、着物は昔のものだけれどコーディネートで雰囲気を変えたい!という方にもおすすめの品です。

 

重ね衿について種類別に写真つきで解説します

・広衿タイプ重衿

着用時に好みの巾に折って着れる広衿タイプの重衿。単色のものが多く、中には柄があるものやラメ入りのものなどもあります。着用する際には、縦を半分の幅に折って使用します。

・複数色が使われている重衿

2色・3色使いなどの重ね衿は衿元から複数の色が見え、華やかになります。

裏もリバーシブルになっているタイプが多いので表裏・左右の使い方によっては4通りのパターンでコーディネートが楽しめるのもメリットの一つ

このタイプの重ね衿はあらかじめ巾が狭く仕立てあるバチ衿タイプが多いです。バチ衿タイプの重ね衿は着付けの際折る必要がありません。

・レース・フリル付き重衿

ここ数年、振袖用の小物にアクセントを加えた個性的なコーディネートが流行しています。レース・フリルが付いた重衿を入れるとシンプルな振袖もアクセントが加わりクラシックで個性的なイメージに。

他と違ったコーディネートにしたい!という方におすすめの重衿です。

・パール付き重衿

上品で質感も良く、着物に素敵なアクセントを加えることが出来るパールタイプの重衿。重ね衿本体にも色が入っているのでパールの輝きが引き立ちます。

・つまみ細工付き重衿

重ね衿につまみ細工が付いたタイプの重衿。こちらを入れるとお顔元の可愛らしさがぐっと出てきます。

小さなブローチのようなサイズ感のつまみ細工は、さり気なくお顔元を彩ります。他の方とは違ったオシャレを楽しみたい方におすすめです。

重ね衿の色選びのポイントは?

着物のコーディネートは普段着のコーディネートとは感覚が異なるので、重ね衿の色をどの色にするかは皆さん迷われることかと思います。

そこで、振袖用重ね衿の色選びのポイントをいくつかまとめてみました。

①着物に入っている色を選ぶ

振袖の柄に使われている色を差し色にすればコーディネートに統一感が出てまとまって見えます。

▲こちらの水色の振袖コーディネートは、胸元に入っている紫の大柄に合わせ、金・紫の2色使いの重ね衿をアクセントとしています。

▲こちらのコーディネートは白地の着物に柄にもあしらわれている赤の重ね衿を入れることで、遠目からでもお顔の近くがはっきりとした印象になります。

②着物の反対色を差し色に使う

例えば、赤やピンク、黄色などの暖色系の振袖の場合は、ブルーや緑、着物の柄によっては黒の重ね衿を選ぶと、重ね襟の色がアクセントとなり、振袖の色が引き立ちます。緑系、黒など寒色系の振袖の場合は赤やピンク、黄色の重ね衿を付けることで華やかさが加わります。

必ずしも反対の色でないといけない!という訳ではないので、全体の雰囲気を見て場合によっては暖色系同士、寒色系同士を組み合わせることも。

▲例えば地色が赤の着物に同じく暖色系の黄色を入れることで明るい印象を引き立たせるコーディネートになります。

▲ブルーの地色に白地の花があしらわれ、色使いの限られた振袖。はっきりとした赤を重衿・帯〆に使うことでアクセントとなり、お顔元もはっきりとした印象に。

③着物と全く同じ色は避けましょう

振袖コーディネートで着物の地色や衿元の色と全く同じ色の重衿を選ぶのはあまり良くありません。例えば赤い着物に赤い重ね衿、黒い着物に黒の重ね衿など・・・。

着物と重ね衿が同色だと同化してしまい、せっかくの重ね衿がついていないように見えてしまいます。

どうしても同じ色を使いたい場合は同色系でも濃淡を変えたものや、金が入った2色使いのものを使用したほうが良いでしょう。

▲黒の振袖に黒×金の重衿を使ったコーディネート。金色を着物側に使用することで黒同士で同化するのを防ぎつつ、シャープな印象に仕上げています。近年は小物にあまり色を入れない、ワントーン系のコーディネートも流行しているので、この様に合わせ方を工夫しながら小物選びをしたほうが良いでしょう。

 

重ね襟選びはお店がオススメ!

同じ着物でも重ね衿の色を変えると雰囲気がガラリと変わるのが着物コーディネートの特徴。そのためこの着物にはこれ!という正解があるわけではなく、着る人が変われば合わせる小物もその人の好みやお顔立ちなどで変わってくることも。

上記の色選びについてはあくまで参考程度にしていただいて、まずは自分の好みや雰囲気に合っているかどうかをお店で試着しながら選ぶのが一番です。お店で実際の品物を見ることで細かい色合いや質感などを確認することでよりお似合いの振袖コーディネートを完成することができます。

他の小物もですが、着物のプロである従業員さんにアドバイスを貰いながらでしたら、よりご安心ですよ。

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written by TAKAHASHI

文化学部卒業後、和文化に興味を持ち地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。

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