季節の境目には、悩まれる方が多いですね。
以前、滋賀県の織物にスポットをあてブログにまとめてました。
こちらの記事でも触れていますが、秦荘紬をお客様が着装されている姿を見て【手織り】と【機械織り】の風合いの差に驚いたことで、すっかり秦荘紬に魅了されてしまいました。
簡単にいえば、秦荘紬が欲しくなってしまったのです。
今回は『着物ユーザー』として秦荘紬の着心地など、感想をまとめてみました。
従来、秦荘紬は先染めの織物です。
先染め・後染め とは
糸を先に染めてから織り上げているものを【先染め】と呼び
白生地を織り上げてから染めるものを【後染め】と呼びます。
先染めの代表的なものには、絣模様の紬やお召があります。
後染めの代表的なものは、友禅染め・型絵染め(ex:紅型・江戸小紋)などです。
今回の秦荘紬に限っては、私の好みの色にするために、先染めの反物を縁あって泉六先生に染めていただきました。なので、秦荘紬には珍しく【後染め】になります。
経緯はこちらの記事で触れています。
着物が出来上がって「わーい。わーい。」と嬉しく袖を通したワタクシです。
コレばっかりは着てみないとわからないことですが、あまりの着心地の良さに正直びっくりしました。本場結城紬と並ぶ着心地だと感じます。手織りの妙ですね。
ふわっと身体を包み込むような、それでいてしっかりとホールドしてくれて熱もこもらず「すごく良い」というのが私の感想です。
私は単衣仕立てにしました。
[真綿系の紬を単衣に仕立てる]場合のあるある話で、『上前が引っかかって降りて来なくてタイヘン」』と、よく言われます。しかし、その心配はありませんでした。立ち上がるときでも上前がスッと戻ってくれます。
単衣着物を着る季節は汗ばむことも多いですが、湿気も熱もこもらず秦荘紬が放出してくれている感覚があります。
身体にしなやかに沿ってくれる感覚でしょうか。紬地での中でもここまでしっとりとした着心地のものは他にないです。(太田体験値)
着心地が良いと、また着たくなり「何を着ようかな」と考えながらも自然に手が伸びます。
記事の冒頭で紹介した【近江上布と秦荘紬】のブログを見てくださった方から「秦荘紬を絞り加工に使用したいので仕入れしたい」とお電話を頂きました。よくよくお伺いすると絞りの伝統工芸士の方で、「秦荘紬は絞り加工をする上でも大変縫いやすい」と言っておられました。違いがはっきり分かる方とお話が出来て、ますます魅力が深まりました。
秦荘紬といえば、キタヤマ美装の北山先生。
あれこれとお話しを聞かせて頂きました。
着てみて初めてその素晴らしさが分かる秦荘紬でした。
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written by A.OTA
きもの永見「美装流着付け教室」講師。 「着物でお出かけしてみたい」そんなあなたのお手伝いを致します。 着付け教室HP https://kimono-nagami.com/school/