振袖用の帯揚げはどう使う?選び方や最新アイテムも紹介!
「帯揚げ」は着物を着るのに欠かせない道具の一つです。
他の着物と同じように、振袖にも帯揚げを使います。
今回は、振袖に合わせる帯揚げの使い方とコーディネート例、選び方などご紹介していきます。
目次
帯揚げとは?
帯揚げとは、帯枕を包んで外から見えないようにする役割を持つ道具で、帯枕を使う着物ならセットで必要になります。
前姿では着物と帯の間から見え、実はコーディーネートのアイテムとしてもとても大切なんです。
振袖にぴったりなタイプ
一口に帯揚げと言っても、その種類は様々です。
TPOや着る着物の種類によって合うものを選ぶと良いでしょう。
振袖は自身が主役となる晴れ舞台。
目を引く明るい発色のタイプや、金銀、刺繍などがあしらわれた華やかな帯揚げがおすすめです。
(コーディネートによって選ばれる色味などは変わってきますが)
近年では振袖のコーディネートも多様化傾向です。
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#振袖 #米子市 pic.twitter.com/5Ed2HVDXjg— きもの永見 / KIMONO NAGAMI (@nagami_5298) October 5, 2023
レース生地の帯揚げなど、従来はあまり使われなかったアイテムも人気になっています。
振袖に向かないタイプ
逆に、振袖に向かないのはやんわりとした薄い色の帯揚げや、変わり柄のカジュアルな帯揚げです。
柔らかい薄い色の帯揚げはどちらかというと訪問着や留袖など、個々の小物を主張させない着物のコーディネートに向いています。
▲訪問着など向きの帯揚げ・帯締め・重衿
また、カジュアル帯揚げは小紋や紬、木綿のような日常のシーンで着る着物に適しています。
振袖はフォーマルの着物なので、カジュアルすぎる帯揚げは向かないといえますね。
ただ先述の通り、近年の振袖コーディネートは伝統装束というより、衣装チックに多様化の傾向にあります。
一見向かないアイテムでも、それぞれの帯揚げの特性を知ったうえで採用することもあるかもしれませんね。
帯揚げの種類
帯揚げは今と昔と比べても、重衿や帯締めのように大きく形が変わったわけではないアイテムです。
ですが、流行や技術の発達、色感覚の多様化などから、色幅が大きく広がっているのが帯揚げの特徴といえます。
ここからはまず基本的な帯揚げの種類をご紹介していきます。
鹿の子しぼり
鹿の子しぼりの帯揚げは、生地を細かく絞って染め分ける「絞り染め」の技法を使って作られた帯揚げです。
絞ったことによって布面に細かく凹凸ができ、厚みが増しているのでボリューム感と可愛らしさが出てきますね。
布を伸ばすと色場と白場が出てきて元の色よりもマイルドな印象になるため、優しく若々しい印象になりたい方にオススメです。
縮緬(ちりめん)
縮緬帯揚げはしぼり帯揚げとは対照的に、染められた色がハッキリと出てくるタイプになります。
表面に独特の細かいシボがある縮緬生地は光沢感はあまりなく、マットに帯揚げの色味を強調してくれます。
締まった印象にしたい方、キリッとしたコーディネートにしたい方にオススメです。
綸子(りんず)
綸子帯揚げは縮緬よりも薄手で柔らかな生地感で、織り方によって表面に地紋が浮き出る帯揚げです。
つやっとした光沢感があるので華やかでありながら、絞りのようなボリュームはないのでスッキリとした印象になります。
振袖では染めで柄があるタイプや刺繍があるタイプも多いので、より豪華に感じられるものも。
人気!最新帯揚げ
近年人気を増しているのが、くすみカラーやレースなどの帯揚げです。
人気のナチュラル系コーデやワントーンコーデに合わせて、従来の帯揚げより一歩控えた優しい色使いになっています。
こういったコーディネートなら、「振袖に向かない」とされるやんわりとした色の帯揚げを選択肢に入れるのもいいですね。
レース帯揚げを使えば一気にドレスチックなコーディネートにも。
お好きな素材感・色味の帯揚げをお選びくださいね。
帯揚げの選び方は?
振袖選び・帯選びだけでも大変なコーディネート。
その他の小物選びとなるともっと大変ですよね。
ここからは具体的に何を基準に選ぶといいのか、ポイントを解説していきます。
☆一番大切なのは自身がこれが好き!と思ったものを選ぶことです!帯揚げの色が与える印象とは
帯揚げを始めとした小物たちは振袖の色や取り合わせによって印象が大きく変わります。
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そこで、それぞれの色が持つ印象をイメージしておくと、自身のなりたい姿、コーディネートに近づいていけるでしょう。
赤ならメリハリがあって華やかなイメージ
黄色なら元気さ~ふんわりとしたイメージ
白なら清楚でスッキリしたイメージ
などなど、色自体の持つイメージは様々です。
こうした色のイメージを組み合わせていくことで、より自分らしいコーディネートを作っていくことができますよ。
①振袖に使われている色から取る
まず帯揚げを選ぶポイントの1つが「振袖の柄に使われている色から取る」ことです。
振袖と近い色味を取って統一感を出したり、補色(反対色)を取って目立たせたりなど、バランスよくコーディネートできます。
▲柄の赤から取った帯揚げ。緑と赤は補色でもあるのでアクセントにも◎。
②他の小物に使った色と合わせる
ポイント2つ目は「重衿や帯締めなどの小物と合わせた色を選ぶ」ことです。
重衿・帯揚げ・帯締めを3色同じにすれば、まとまりのあるコーディネートになりますね。
▲小物を3色統一したコーディネート。振袖のからし色が引き立ちます。
重衿・帯揚げ・帯締めの3色中2色を統一して1色を変えれば、アクセントカラーを入れたメリハリのある雰囲気にもできます。
③シンプルコーデは全体の雰囲気を見て
最近は多色を使わずスッキリの振袖も人気ですが、シンプルだからこそコーディネートにはこだわりたいですよね。
帯揚げは振袖と帯の間に見えるアイテムです。
振袖や帯の地色と同じ色を選んでしまうと、せっかくのコーディネートアイテムである帯揚げが、同化して全く目立たなくなってしまうことも。
地色の濃淡ので違いを出したり、ゴールドやシルバーが入ったものを選んだり、質感を変えるだけでも雰囲気が変わります。
▲柔らかい黄緑の帯揚げが振袖のナチュラルさをより印象づけてくれます。
▲重衿・帯締めをアクセントに、帯揚げは絞りで素材感を出したコーディネート。
シンプルなコーデの場合でも、ちょっとした違いでよりおしゃれな今風コーデにしていただけますよ。
ぜひ色々な帯揚げをお試しくださいね。
まとめ 帯揚げ選びはお店がおすすめ!
今回は帯揚げの色の持つ印象や、選ぶポイントなどをご紹介してきました。
同じ振袖でも、着る方の雰囲気やお好みで全く違うコーディネートが出来上がります。
自身の似合う雰囲気やお好きな小物を選んでいただきやすいのは、やはり着ながら合わせていくことです。
お店で実際にご試着いただいて、質感や色味を直に感じながら選ぶことで、想像とのギャップを感じることなく着姿を作り上げられます。
振袖選びにはお選びの参考になるポイントはあっても「正解」や「良い・悪い」という決まりはありません。
今回ご紹介したポイントはは参考程度にしていただきつつ、自身のお好きなイメージで素敵な振袖姿を作り上げてくださいね。
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written by ISHIKURA
歴史学科卒業後、地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。