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カジュアル着物の半衿、どう選べばいい?素材と色柄の選び方

半衿は、着物の衿元を飾る欠かせないアイテムのひとつです。

ほんの少し見えるだけのオシャレですが、お顔元やコーディネート全体に影響のある半衿。

半衿ってどういうもの?選び方やTPO、季節ごとの半衿まで徹底解説

今回はカジュアル着物に合わせる半衿について解説していきます。

半の衿種類や季節に適した半衿選びの方法などを理解して、着物コーディネートの幅を広げて楽しみましょう。

カジュアルコーディネートの半衿

カジュアル着物に合わせる半衿は、フォーマル着物よりもコーディネートの幅が広がります

フォーマル着物を着るような場所だと、どうしてもTPOを意識した装いが必要になってきますが、気軽なお出かけなどカジュアル着物を着る時はかしこまった着こなしを気にせず、自由におしゃれを楽しめます。

さらに、着物の素材や着用時期に合わせて半衿を変えると、季節感や着物の雰囲気に合わせたワンランク上のコーディネートになります。

ただ、コーディネートの幅が広がる分、半衿選びにも迷う方は多いでしょう。そこで、着物の種類や季節によって合うカジュアルコーディネートの半衿について解説していきます。

カジュアル着物に合う半衿は?

白半衿

半衿の中でも最もスタンダードなのは色や柄の入っていない白の半衿です。白い半衿はスッキリとしたイメージでどんな種類の着物にも合いやすいですし、カジュアルだけでなくフォーマルシーンでも間違いのない、一つ持っておくと安心の半衿です。

白半衿を選ぶ時の注意点

白半衿の素材は長いシーズン使用できる塩瀬をメインで使い、6月~9月上旬の夏場は絽という独特の隙間が涼感のある素材の白半衿に変えましょう。

刺繍半衿

刺繍の入った半衿は衿元にボリュームがあり、刺繍糸の光沢感もあるので品よく、華やかになります。

柔らかい色の刺繍半衿を選ぶと、優しい雰囲気でまとまります。

半衿

刺繍半衿を選ぶ時の注意点

刺繍衿の中でも、金・銀糸が使われているおめでたい柄は主にセミフォーマル~礼装用として使用されます。
カジュアルに金銀糸のあしらわれた刺繍衿だと衿元だけ格調が高すぎて、着物に対してちぐはぐな印象になるので注意しましょう。

色柄のある半衿

色や柄がはっきりとした半衿は個性的な雰囲気のコーディネートを楽しみたい時におすすめです。

白や淡い色の半衿に比べてメリハリのある印象になるので、色無地着物と組み合わせればお顔まわりがアクセントになるコーディネートに。帯や着物の柄や色に合わせてコーディネートの幅は広がります。

色柄半衿を選ぶ時の注意点

色の濃い半衿や柄物半衿はモダンな雰囲気で素敵ですが、どうしてもカジュアル感が強くなります。
例えば高級なお店に行くのに品よくコーディネートをしたい…という方には淡い色の半衿がおすすめです。

レース系半衿

レースの半衿は刺繍や染めの半衿ほど柄の主張が激しくないので、白無地だと物足りないけれど、あまり派手にはしたくないという方におすすめです。

半衿

白や淡い色のレースですと、白半衿の感覚で合わせながら、素材によるさり気ないニュアンスの違いを楽しめます。

カジュアルシーンの半衿はどう選べばいい?

着物のコーディネートに大きな影響のある半衿選び。どのような半衿を選べば良いのか、コーディネートについてはいくつか方法があります。

着物コーディネートに合わせた半衿選び

着物全体のコーディネートを見ながら半衿を組み合わせる選び方だと、着姿全体に統一感のある雰囲気になります。

柄が多く、華やかな着物の時

例えば着物の色や柄が派手な場合、落ち着いた色やシンプルであまり柄の入っていない半衿を選ぶと着物の華やかさを引き立てます。

柄の着物✕柄半衿はかなりの上級者向けコーディネートなので、無難にまとめたい場合は衿元はシンプルにするのが良いでしょう。

シンプルな着物の時

色無地などの柄の入っていない着物や着物の色や柄が控えめな場合は、派手な色や柄の半衿がアクセントとなります。

ただし、帯や小物を淡い色などで合わせている場合は、衿元だけ派手になってしまうので注意が必要。全体的にシンプルにしたいけれど衿元は白だと寂しく感じる時は、レースなど質感が変わったタイプやワンポイントの刺繍などで衿元をほんのり華やかにすることもできます。

コーディネートの際は、着物だけでなく帯や小物など全体の色のトーンや雰囲気に合わせて選んでみましょう。

着物だけでなく、顔映りにも注目した半衿選び

カジュアルな場面における半衿の選び方に明確なルールはないので、気に入った半衿を選ぶのが一番です。

その中でも、着物や小物と雰囲気を合わせたものを選ぶと統一感のあるコーディネートになりやすいです。

ただし、絶対に着物の色に合わせた半衿にしないといけない!というわけではありません。半衿は顔元に最も近い部分なので着物コーディネートと同じくらい『顔映り』も気にしないといけません。肌の色や髪・目の色、顔の形などで似合う半衿の色・柄はさまざまですので、ご自身のお顔の雰囲気に合った半衿を選ぶことも大切にしましょう。

顔映りの良い半衿はどう選べばいい?

どんな半衿がお顔に似合うかどうかは千差万別。ただ、スムーズに似合う半衿選びの方法があるので、どう合わせたらいいかわからないという方は必見です。

呉服店で意見を聞く

呉服店でお顔と着物一式を見ながら半衿選びをするのがおすすめ。従業員は着物コーディネートに精通しているので、お顔映りだけでなく、着物とのバランスを考えた半衿を提案してもらえます。

また、実店舗には数多くの半衿を実際の色合いを確かめられるというメリットもあります。お手持ちの半衿にしっくり来るものがなかったり、ネットだと実際の質感や色が分からなくて不安な時は一度呉服店で相談してみましょう。

刺繍衿_半衿

▼きもの永見で実施している着物コンシェルジュサービスの記事はこちらから。実際の呉服店で、どのように着物コーディネートの相談にお答えしているか疑問の方は必見です。

着物コンシェルジュって? 何でも相談できるの?

洋服でよく選ぶ色を探す

普段着用されている洋服と似たトーンの色を選ぶと、顔なじみが良く、顔の近くに来ても違和感が少ないです。

例えば、普段落ち着いた色の服を着る方は白系や柔らかい色の半衿を、鮮やかな色合いの服装を好んで着る方は彩度が高い半衿を選ぶとしっくり来る場合もあります。

半衿の生地の種類

半衿の生地もさまざまです。半衿の素材で多いのが正絹です。絹の素材の着物にはやはり同じ絹の半衿が相性が良いです。また、風合い・発色が良いので、成人式やフォーマルに使用するような刺繍半衿も正絹素材のものが多いです。

一方化繊素材の半衿はお家で気兼ねなく洗えるので、簡単にお手入れしたい人におすすめです。

着物同様に、半衿も着用時期に応じて衿元を夏仕様にしたり、生地の厚さが違うものもあります。

季節感に応じた半衿を付け替えると、夏は涼しげに、冬は温かみのある雰囲気を演出できます。

季節ごとの半衿の素材

半衿

一年間で最も長く使えるのは「塩瀬」の半衿。密に張った経糸に太い緯糸を打ち込んであるため、横畝に特徴がある織り方です。塩瀬の白半衿は、袷の着物の時期に用いる半衿の最も代表的なものと言われています。

5月頃になると単衣の着物にあわせる半衿として縦しぼが特徴的な「楊柳」なども活躍します。この時期も塩瀬は使用できますが、衿元を少し変えて涼感を演出してみるのも良いでしょう。

6月に入ると夏の半衿が活躍します。夏の時期に用いられる半衿として代表的なものが「絽」の半衿。隙間のある織り方が特徴で、単衣や盛夏の時期に着用する絽の着物を着る時に合わせます。涼感のある雰囲気が夏の素材として爽やかなイメージの半衿です。

また、「絽」以外にも夏紬や麻などの夏の織りの着物によく合う「麻絽」「絽縮緬」といった夏の半衿を使うとコーディネートの幅が広がります。

夏の着物、半衿にも夏用があるの?浴衣に半衿をしてもいいの?

「縮緬」の半衿は、素材にもボリューム感があり、温かい印象なので冬場に適した半衿です。袷の着物、紬などにもコーディネートがしやすい半衿になります。

カジュアル着物を着るときの半衿―まとめ

カジュアルな着物を着る時の半衿は基本的には特に指定はありません。夏場でしたら絽、麻絽 などの夏素材、夏以外は塩瀬や正絹素材で白地や色物に刺繍、柄ものなど幅広くお使いいただけます。

しかし、カジュアルな際に、金や銀の刺繍は避けるのがベターでしょう。

フォーマルな場所から普段使いのカジュアルな着物まで、幅広く使いたい場合、「塩瀬」の白無地の半衿がおすすめです。TPOに合わせた使い方ができ、フォーマルにもカジュアルにも対応できます。

 

カジュアル着物の場合は、半衿の自由度も高く、また種類も着物に合わせて選べるように豊富にあります。

ぜひ、お好みや顔色に合った半衿のコーディネートで、着物姿を楽しみましょう。

▼きもの永見の半衿付け教室についてはこちら

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written by TAKAHASHI

文化学部卒業後、和文化に興味を持ち地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。

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