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着物 肌着の選び方 和装肌着のプロが語る魅力とおすすめ

和装は、日本の美しい伝統文化のひとつです。しかし、和服を着る際には、和装肌着の存在が欠かせません。

和装肌着は、和服の美しさを引き立てるための必須アイテムです。今回は、和装肌着の選び方やお手入れ方法、そして着こなし方について解説します。

和装肌着の選び方には、素材や機能性、色や柄の相性などがあります。また、適切なお手入れを行うことで、長く美しい状態を保つことができます。和装肌着を着こなすポイントにも注目し、和装の美しさを存分に楽しんでください。

和装肌着の役割とは?

和装肌着は、着物や振袖、袴などの和服の下に着用する肌着のことを指します。

和装には、身体のラインを拾わないようにするために厚手の生地で作られた和装専用の肌着が使われます。また、肌着は和服を長持ちさせるためにも重要です。和服の汗や皮脂などの汚れを肌着が吸収することで、着物本体の汚れを防ぎます。また、下着としての役割以外にも、補正の土台にもなります。

 肌着の種類と特徴 

着物の下に着る肌着には、いくつかの種類があります。着用場所や着物を着る季節や、体型等によって使い分けます。

着物用ワンピース肌襦袢

上下ひと続きになっていて着るのが楽な肌着です。丈の目安は足首が見えるぐらいの丈のものを選びましょう。

紐が予めついているタイプがほとんどです。肌着の紐は体に一番近い紐なので、きつく結びすぎないのがポイントです。

二部式肌襦袢

上半身の「肌襦袢」と下半身の「裾除け」がセパレートになっているタイプ。裾除けで丈を調節できるのが利点です。

肌襦袢に紐がついているようなら結び、紐がついていないタイプは前で身頃を合わせ、腰紐で結びます。

裾除けの裾は長襦袢からはみ出ないように足首が見えるくらい短くしましょう。

準備する際は、肌襦袢と裾除け、どちらかを忘れないように上下揃っているかの確認をしておきましょう。

和装肌着の選び方のポイント

和装肌着を選ぶ際には、以下のポイントに注意して選ぶと良いでしょう。

・素材:肌触りが良く、吸汗性に優れた素材を選ぶと快適に過ごせます。

・サイズ:和装専用の肌着はサイズ展開が限られている場合が多いため、自分に合ったサイズを選ぶことが重要です。

・襟元:襟元は前からも、後ろで抜いた衣紋からも見えないことが大切です。

着物を着る際は一般的な和装肌着で問題は有りませんが、振袖など衣紋をしっかり抜くタイプの着物を着る際は肌着を購入する時にえりぐりがしっかりあいているかを確認して購入しておくと安心です。

・色:ほとんどの肌着は白(もしくはピンク)のように薄い色が一般的です。通常肌着→長襦袢→着物の順で着るので透けるものではありませんので「この色でなくてはいけない」という指定は有りません。

ただし、浴衣の時は肌着の上から直接着るので肌着や、その下に着ている下着まで透ける可能性があります。浴衣用肌着として白以外にも透けにくいベージュの肌襦袢が売られているので気になる方はそちらもおすすめ。

浴衣の時の肌着・下着の注意点

偶に浴衣を素肌の上から直接着る方もいますが、 浴衣を着る際は、必ず肌襦袢を着用して下さい。

ブラジャー・ショーツなど下着の上から直接浴衣を着ると浴衣の薄い生地の下から見えてしまいますし、着付けの時は気にならなくても汗を書いて浮き出てしまうこともあります。

特に白い浴衣は中が透けやすいので要注意。

また、肌着には汗や皮脂を吸収し浴衣を汚れから守る役割もあります。特に汗汚れはその時は気づかなくても年の経過とともに後から浮き出てくる場合もあります。

また、肌着をしっかり着ていても中の下着の色が濃い色だと透けてしまうこともあるので、浴衣を着る時は下着の色もベージュ系のヌーディーなカラーのものを選ぶと良いです。

肌着のサイズ選びの注意点

和装肌着は、和服に合わせて作られているため、普段着用するサイズとは異なる場合があります。和装肌着を選ぶ際には、和服を着た際のサイズを考慮して選びましょう。また、肌着は着用した際に身体の動きを妨げないように選ぶことも重要です。

一般的な肌着のサイズよりも体型が小さい・大きい場合は二部式の肌襦袢がおすすめです。

上半身の「肌襦袢」と下半身の「すそよけ」がセパレートになっているので裾除けで丈や身幅の調節がききます。

下半身は、裾除け以外にもステテコを着るという選択肢もあります。

裾捌きがよく歩きやすいという利点があります。一方で、絽などの透ける素材の浴衣には不向きです。

ステテコの上に裾除けは不要です。

肌着の素材と機能性について

和装肌着の素材は、肌触りが良く、吸汗性に優れたものが適しています。綿や麻、レーヨンなどが一般的な素材です。また、最近では、保温性や速乾性に優れた機能性のある和装肌着も販売されています。肌着の機能性にも注目して選ぶと良いでしょう。

また、上下で素材感が異なるタイプの肌着も多く販売されています。

上半身は木綿素材など、汗を吸い取って着心地の良く着れる素材、下は滑りが良く歩きやすい素材ですと、着物を着る時に楽に過ごせます。

和装肌着のお手入れ方法

 洗濯方法 

和装肌着は、手洗いで選択することが理想です。濡らした肌着に、軽く洗剤をつけ、手洗いをします。強くこすらないように、優しく洗い、すすぎを十分に行い、水分をよく切ってから陰干しします。

手洗いのイラスト

洗濯機を使う場合には、ネットに入れて手洗いモードを選んで洗濯してください。正しい手順で洗えば、肌着も長持ちします。

洗濯機のイラスト

アイロン掛けの注意点

和装肌着にアイロン掛けをする場合には、中温で軽くアイロンをかけましょう。アイロンの温度が高すぎると、生地が傷んでしまう場合があります。

アイロンがけのイラスト

また、肌着にアイロンをかける際には、裏側からアイロンをかけてください。

 保管方法

和装肌着は、直射日光や高温多湿を避けて保管することが大切です。また、畳んだ状態で保管するとシワができるため、干してからアイロンでシワを取り、たたんで収納すると良いでしょう。保管前に必ず、汚れを落としてから収納してください。

肌着を着る時の注意点

肌着を着る際は、着姿や着心地に支障がないように注意が必要な点がいくつかあります。

・首の後ろが詰まらないように後ろを抜いて着る

肌着が着物の上から見えないように、衣紋はしっかりと抜きましょう。

  

首の付根から10cmほど、もしくは首の付け根の出っ張った骨よりも指3本分下が目安です。

衣紋を抜いた後は、肌着の前側の衿が崩れていないか忘れずに確認しましょう

衣紋とは?

衣紋とは着物の後ろ衿の部分のことです。着物を着る時、男性は衣紋を抜きませんが、女性は衣紋を抜いて着物を着ます。
衣紋を抜いておくと、なで肩で首が細く、全体的に華奢な印象を与え、女性らしく美しい着姿になります。

・前の衿合わせはゆったりと

肌襦袢の衿はゆったりと合わせることで、肌着が着物の上から見えるのを防ぎます。

・裾がくるぶしより下にならないようにする

くるぶしよりも下にくる長さだと長襦袢からはみ出て、歩いている時にチラチラと見えてしまうので注意して下さい。

・肌着の紐はきつく結ばない

あらかじめ紐がついているタイプの肌着、もしくは上から腰紐を結ぶ時はきつく結びすぎないのがポイント。肌着の腰紐は体に一番近い紐なので、締めすぎると紐が体に食い込んで苦しくなってしまいます。

体型に合わせた着こなし方

和装肌着は、身体にフィットするサイズを選ぶことが大切です。体型に合わないサイズですと、小さすぎてきつく感じたり、逆に体に対して大きすぎて余分なシワができたり、着物の上から見えてしまうことも…。

適切なサイズを選ぶことで、和服を美しく着こなすことができます。また、肌着の着方や留め方も、予め紐がついているタイプや留め具のないタイプなど様々な種類が販売されています。よくわからない場合には、近くの呉服屋に足を運んで店員に聞いてみるとよいでしょう

長襦袢と肌着が一体化した襟付き肌襦袢

着物用の肌着の中には長襦袢と肌着が一体化したタイプの襟付き肌襦袢があります。

こちらの品は、絽の半衿がついており、長襦袢代わりとして着用できます。一枚分を省略できるので、単衣~盛夏の時期に大活躍のアイテム。暑い時期の重ね着を避けたい時にオススメです。

使用するシーンとしては、下に長襦袢を着ているように見せるので、浴衣を着物風に着ることができます。

浴衣を着物風に着たい場合や、夏場のお稽古などで頻繁に着るので長襦袢だと暑い、お手入れを簡単にしたい、という方に人気です。

肌着と一体化したこちらのタイプですと殆どの場合自宅であらえますし、専用のきもの洗濯ネットなどを使用したら洗濯機で着用後すぐに洗うことも可能です。

暑い夏場に、手軽に着物姿を楽しみたい、という方に好評の品です。

襟付き肌襦袢の注意点

夏場に大活躍の襟付き肌襦袢ですが、冬場に袷の着物を着る際、通常の肌襦袢と間違えないように注意が必要です。
着物を着る前に、あらかじめ肌着に衿がついているかどうかを確認してから適したタイプの肌襦袢をご用意して下さい。

まとめ

和装肌着は、和服を着る際に欠かせないアイテムです。今回は和装肌着の役割や種類、選び方、お手入れ方法、そして着こなし方について解説しました。

和装肌着を選ぶ際には、和服との相性や自分に合ったサイズ、素材や機能性にも注目しましょう。

また、適切なお手入れを行うことで、長く愛用することができます。和装肌着を着こなすポイントにも注目して、和装の美しさを引き立てましょう。

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written by TAKAHASHI

文化学部卒業後、和文化に興味を持ち地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。

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