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和装小物 浴衣 お知らせ

【保存版】着物用「和装肌着」の選び方完全ガイド!プロが教える着こなしの秘訣

浴衣下

着物や和服を着る際、表からは見えない「和装肌着(肌襦袢)」がとても大切な役割を果たすことをご存知ですか?

和装肌着は、ただのインナーではありません。大切な着物を汗や汚れから守り、美しい着姿を叶え、何よりあなた自身が快適に過ごすための「縁の下の力持ち」です。

この記事では、着物のプロが和装肌着の役割から選び方、種類、お手入れ方法、そして着こなしのコツまで、気になるポイントを全てお伝えします。初心者の方でも迷わないように、具体的な選び方のヒントをわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

和装肌着の役割とは?なぜ着物には必須なの?

洗える着物6

和装肌着は、着物、振袖、袴などの和服の下に着用する専用の肌着です。その主な役割は以下の3つです。

  1. 大切な着物を汚れから守るバリア
    和服は汗や皮脂の汚れに弱いため、直接肌に触れるとシミになる恐れがあります。肌着が汗を吸収することで、
    着物を汚れから守り、長持ちさせます

  2. 美しい着姿の土台を作る
    和装では体の凹凸をなくした「寸胴(ずんどう)」の体型が美しいとされています。肌着は、下着のラインを隠すだけでなく、
    補正の土台となり、着物がシワなくきれいに着られるようサポートします。

  3. 着心地を快適に保つ
    通気性や吸汗性に優れた専用の肌着を着ることで、着物の中でも蒸れにくく、一日中快適に過ごすことができます。

和装肌着の種類と特徴|あなたに合うのはどれ?

着物の下に着る肌着には、主に3つのタイプがあります。着る場所や季節、体型に合わせて使い分けるのがおすすめです。

① ワンピースタイプの「肌襦袢(肌着スリップ)」

 

上半身と下半身がひと続きになった、ワンピースのような形状の肌着です。

  • メリット:着付けが簡単で、初心者の方でも手間がかかりません。左右に紐がついているタイプ、頭からかぶるタイプがあり、これ一枚で着用できます。

  • 丈の目安:足首が見えるくらいの丈を選ぶと、長襦袢や着物からはみ出ず、歩きやすいです。

② 上下セパレートの「二部式肌襦袢」

 

 

上半身の「肌襦袢」と下半身の「裾除け(すそよけ)」が分かれているタイプです。

  • メリット体型に合わせて、丈の長さや身幅を細かく調整できるのが魅力です。

  • 裾の注意点裾除けの丈は、長襦袢からはみ出ないように、足首が見えるくらい短く着付けるのがポイントです。

③ 夏に大活躍「襟付き肌襦袢」

 

肌着に半襟がついており、”肌着×長襦袢”を一枚で兼ね備えたアイテム。「うそつき」とも呼ばれます。

  • メリット
    これ一枚で肌着と長襦袢の役割を果たせるため、
    夏場など暑い時期の重ね着を避けたい時に大活躍します。浴衣を着物風に着こなしたい時にもおすすめです。絽の半衿がついているため、単衣から盛夏の時期に着用できます。

  • 注意点
    春・秋・冬に袷の着物を着る際は、絽でない半衿のついた長襦袢を着用するのがルール。間違えないように注意しましょう。

和装肌着の選び方|素材・サイズ・色をチェック

後悔しない和装肌着を選ぶために、以下のポイントに注目しましょう。

選び方のポイント①素材と機能性

肌に直接触れる肌着は、素材選びが最も重要です。

  • 肌触りと吸湿性
    綿、麻、レーヨンなどの天然素材は、肌に優しく汗をしっかり吸い取ってくれるため快適です。

  • 機能性
    最近では、速乾性や接触冷感、保温性に優れた機能性素材の肌着も豊富です。夏用・冬用など、季節に合わせて選ぶと良いでしょう。

  • 上下で素材が違うタイプも
    上半身は汗を吸いやすい素材、下半身は滑りが良く足さばきが良い素材など、上下で異なる素材を組み合わせた肌着もあります。

選び方のポイント②サイズ感と着こなし

和装肌着は、普段の洋服とは異なるサイズ感で作られています。

  • 体にフィットするサイズ
    小さすぎると苦しく、大きすぎると余分なシワが寄って着姿が崩れる原因になります。体型に合ったサイズを選びましょう。

  • 襟元は深く開いたものを
    着物の襟元(衣紋)から肌着が見えないよう、
    襟ぐりが深く開いているものを選びましょう。特に振袖など衣紋をしっかり抜く場合は、襟元をしっかり確認して購入すると安心です。

  • 裾の長さ
    くるぶしよりも下にくる長さだと、長襦袢や着物からはみ出てしまうため注意が必要です。

選び方のポイント③色選びの注意点

  • 着物用
    通常は肌着→長襦袢→着物の順で着るため、肌着の色は透けません。
    白や薄ピンクなど、薄い色が一般的です。

  • 浴衣用
    浴衣は肌着の上から直接着ることが多いため、肌着や下着が透ける可能性があります。
    白以外の、肌に近いベージュ系の肌着を選ぶと透けにくく安心です。

着物のプロが厳選!機能性を兼ね備えた最新の和装肌着2選

近年、和装肌着も進化し、より快適に着物を楽しめる高機能なアイテムが増えています。

ここでは、特に着物初心者の不安を解消してくれる、プロ厳選の便利な肌着を2つご紹介します。

① トイレの不安を解消!「パパっと肌襦袢」で振袖も安心

 

成人式や結婚式など、長時間のイベントで着物を着るときの最大の不安といえば「トイレ」ではないでしょうか。そんな悩みを解消するために生まれたのが、この「パパっと肌襦袢」です。

肌着と裾除けが一体化したワンピース式で、膝の下部分にスリットが入っているのが最大の特徴です。このスリットに手を入れれば、着物の裾を片手でスムーズに持ち上げることができ、トイレの際の煩わしさがなくなります。

② 和装ブラが一体化!「和装ブラ×ワンピース肌着」で補正いらず

 

着物姿を美しく見せるための補正は、初心者の方にとって大きなハードルですよね。この肌着は、和装ブラジャー・肌着・裾除けの3つの機能が一体化した、画期的なワンピースタイプのインナーです。

胸元には華やかなレースが施され、バストを美しく整えながら、寸胴のシルエットを作り出してくれます。補正の心配がなく、これ一枚で美しい着物姿の土台が完成します。

浴衣の時の肌着・下着の注意点|素肌に直接はNG?

浴衣半幅帯0

「浴衣は素肌に直接着るもの」と思われがちですが、現代では必ず肌着を着用するのが基本です。

  • ブラジャー・ショーツ
    浴衣の薄い生地から下着が透けてしまうのを防ぐため、必ず肌着を着用しましょう。ブラジャーは和装用ブラが補正効果もありおすすめです。
 

ショーツはベージュ系、白などの下着を選ぶと、透けが気になりにくくなります。

  • 汗汚れ防止
    肌着なしで直接浴衣を着ると、汗や皮脂汚れが浴衣本体に付着しやすくなります。汗ジミは時間が経つと浮き出てくることがあるため、肌着で汚れを防ぎましょう。浴衣の肌着は浴衣専用の「ゆかた下」がおすすめです。
 

和装肌着のお手入れ方法と保管のコツ

手洗いのイラスト

大切なお着物を守る肌着を、長くきれいに使うためのお手入れ方法をご紹介します。

  • 洗濯方法
    基本は
    手洗いが理想です。洗濯機を使用する場合は、洗濯ネットに入れて手洗いモードを選びましょう。

  • アイロン掛け
    アイロンは
    中温で裏側から軽くかけましょう。高温すぎると生地を傷めてしまうので注意してください。

  • 保管方法
    直射日光や高温多湿を避け、風通しの良い場所に保管します。畳んで収納する前に、必ず汚れを落としてから乾燥させましょう。

まとめ|和装肌着で、もっと快適に着物ライフを楽しもう!

和装肌着は、着物を着る上で欠かせない大切なアイテムです。

和装肌着を選ぶ際には、素材や機能性、サイズ感を考慮し、自分にぴったりのものを見つけることが重要です。適切なお手入れをすれば長く愛用できるので、ぜひこの記事を参考に、あなたのお気に入りの一枚を見つけてみてください。

和装肌着を着こなすことで、着物の美しさが引き立ち、より快適に和服を楽しむことができるでしょう。

written by TAKAHASHI

文化学部卒業後、和文化に興味を持ち地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。

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