けっこうアバウトです。
実はワタクシ、幸運なことに栗岡泉六先生に反物を染めていただける機会を得ました。
以前のブログで秦荘紬をご紹介しましたが、欲しくなりまして…。
そんな折、永見の商品に色が難しくてしばらく留守番している秦荘紬が… 一反ございまして…。
(実物は画像よりももっとピンク系です)
「欲しいけど、このピンクではちょっとね~。」という私に、永見専務が「泉六先生に染めてもらったら?」と…。
専務、ありがとうございます。
栗岡泉六先生といえば、きもの永見も度々お世話になっている京染の重鎮です。
こちらの記事でもお世話になりました。
京染の伝統産業マークを付けるものに値する品であるかを審査する立場にもおられます。
泉六先生に相談したところ、私が手に持っている反物を見て
「この色では、ちょっとアカンよね~。」と…。
「そうですよね。なので、ご相談なのです。おまかせしますので素敵な色に染めてください。」
そんなやり取りをし、お願いすることになりました。
申し訳ないような有り難いような、複雑な気持ちでしたが嬉しさのほうが勝ってました。
私は泉六先生が描かれる更紗模様が大好きで、お気に入りである泉六先生デザインの帯は身につける度に心が躍ります。
経過途中も「せっかく染めるならアレンジしましょう」とアドバイスもいただきましたが、考えに考えて無地染めにしていただきました。
出来上がって来ると
一遍に気に入りました。深みはあるけれど軽やかな色です。
反物の端に染め替え前の色が残っています。
仕立て上がりが楽しみで待ち遠しかったです。
ここで余談ですが、『反物の別染め』は古くから行われています。白生地の反物がタンスの中に眠っているという方もあるのではないでしょうか。
現在では、白生地を購入して好きな色に染めるということは少なくなりました。
憧れの別染めではあるのですが、染め上がってからではどうにもならない注意点があります。
染めたい色選び
これは違って見える【イメージ】をお伝えすることしか出来ず、お伝えする側とお客様との間でイメージに違いがあることがあります。
特に小さい見本布から色を指定する場合は、3~4cm角の見本布の色がが身体全身に覆われた時のイメージをしっかり考えないと思わぬ失敗に繋がります。
泉六先生の工房では双方のイメージの行き違いを防ぐために50~60cmの長さのある見本反を準備してあります。このような大きい色見本を準備してある場合は安心できますね。(もちろん他の染屋さんでも大きな色見本を準備しておられるところもあります)
染め方の方法としても【引き染め】や【炊き染め】など染める方法が異なれば価格にも反映します。糊蒔絵のたたき初めなどの加工をプラスされる場合もあるでしょう。
別染めをお考えの方は、専門知識を持ち合わせたスタッフのアドバイスを参考にされ、出来上がってから「なんか違う」ということのないように、しっかりとお選びください。
チャンスが有れば、信頼できる泉六先生のような染工房で染めてもらえると安心でき、価値も高まると思います。
そして、着物に仕立て上がりました。
光の当たり具合で色味が違って見えます。
この、『色味が違って見える』という着物の色は染料を何色も合わせて仕上げられた深い色合いだからこそなので、私は大好きです。
なんだか得した気分になります。
泉六先生も「なんともいえん色に仕上がったね。」と言ってくださいました。
着心地は《秦荘紬 その後》のブログへ続きます。
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written by A.OTA
きもの永見「美装流着付け教室」講師。 「着物でお出かけしてみたい」そんなあなたのお手伝いを致します。 着付け教室HP https://kimono-nagami.com/school/