赤ちゃんの誕生と健やかな成長を願うお宮参り。
お宮参りでは昔から、縁起の良い小物を赤ちゃんの着物につけて参拝するという習わしがあります。
お宮参りの小物とはどのようなものなのでしょうか?
その種類についてご紹介するとともに、それぞれの小物に込められた願い、小物のつけ方を解説していきます。
赤ちゃんに付ける「縁起物」
お宮参りでもご存じない方が多い小物。
ここでいう「小物」とは、必需品などの持ち物とは別に、お宮参りをする赤ちゃんに身に付けてもらう縁起物のことです。
必ず必要なものではありませんが、それぞれに込められた願いと一緒にご紹介していきますので、赤ちゃんにどんな風に成長してほしいかな~と考えながら読み進めていただければ幸いです。
扇子
扇子は末広がりの形から「この先の人生が扇子の形のように末広がりでありますように」という願いが込められています。
お宮参りの前に扇子を開いて赤ちゃんの名前と生年月日を記入しておきます。
お参りに行くときに白い麻の縄で結ってあるのし袋にいれて、着物につけます。
麻の縄は髪が白くなるまで長生きできるようにという長寿のお願いが込められています。
犬張り子
犬張り子は犬や子犬の形をしたお守りです。
子犬は病気にかからずすくすく育つと信じられたことから「健康で丈夫な子どもに育つように」という願いが込められています。
子どもが数え年になるまでの3歳まで、犬張り子が代わりに災難を受けてくれるとされています。
また、犬は多産で安産であることから、安産祈願としても有名です。
犬張り子は本来、3歳の七五三の際に奉納するとされていますが、忙しい日々の中で忘れてしまうこともありますよね。
もし忘れて保管してしまっていた場合には、都合のよい時に神社に持っていって奉納するか、お焚き上げをしてもらうとよいでしょう。
お焚き上げは神社にもよりますが、定期的に行っているところもあります。
神社に参拝した際に、聞いてみるとよいでしょう。
お守り袋
お守り袋はその名の通り、お守りのための袋です。
多くのお守りには長寿の象徴である鶴が描かれており、赤ちゃんが長生きできるようにと願いが込められています。
赤い房が女の子、白い房が男の子とされています。
でんでん太鼓
でんでん太鼓の起源は宮中雅楽の振鼓(ふりづつみ)という楽器です。
でんでん太鼓は太鼓の叩く部分から柄の部分まですべてが丸(円)で作られていることから「尖らず穏やかで裏表のない性格に育ちますように」という願いが込められています。
また、太鼓の音には悪霊や災難をよけてくれる効果があると信じられていました。
お宮参り後には赤ちゃんの部屋に厄除けの願いを込めて飾ってあげると良いとされています。
紐銭
紐銭(ひもせん)は関西でしている方が多い縁起物です。
「帯銭(おびせん)」と呼ばれることもあり「1年(一生)赤ちゃんがお金に困らないように」という願いから始まったといわれています。
かつては親族や友人、近所の方から赤ちゃんへの初めてのご祝儀として、5円(ご縁)や50円(ご重縁)を12か月分の12枚を紐で結わえた物をもってお宮参りをしたとされています。
現在は、ご祝儀を紅白もしくは金銀の蝶結びの水引のついたご祝儀袋に入れて、袋の上部に穴を空け、扇子と同じく白い麻の紐を通し、他の小物と一緒に結びつけます。
赤ちゃんへの初めてのご祝儀として1000円・3000円・5000円のお金を贈るのが一般的となっています。
ご祝儀袋には「紐銭」「御紐銭」「帯銭」「御祝い」などと書き、ご祝儀袋の下部には送り主の名前を書きます。
なにかとバタバタしているお宮参りでは、小物を落としてしまうこともあるので、中のお金を入れ替えておいて、ご祝儀袋のみ持ち歩く方もおられるようです。
ご両親や相談ができるご近所さん、または神社さんなどで相談するとよいですね。
「必ず必要なもの」ではない
ここまでお宮参りの際赤ちゃんに付ける5つの縁起物をご紹介してきました。
しかしこれらは「必ず必要なもの」ではありません。
昨今はお宮参りの着物をレンタルで用意するご家庭もおありだと思いますが、そうしたセットに必ず5点の縁起物が揃っているかというと、そうではないところもあります。
どういった縁起物を持ってお参りするか、またどのようなスタイルでお参りをするかは、地域の風習やご家族のお考えによるところが大きいです。
現代ではお仕事などのご多忙や、お家の方針によって、着物を着ずに略式でお参りするご家族もおられます。
ですので、今回ご紹介した縁起物は「こんな縁起物に、こんな願いがあるんだな」と心の隅に留めておいていただきながら、昔ながらの風習を大切にしたお宮参りをしたいというご家族のご参考にしていただければと思います。
まとめ
お宮参りの小物の種類を込められた願いとともにご紹介しました。
赤ちゃんにとっては一生に1回のお宮参り。
お母さんやお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんにとっても記憶に残る素敵な会にしたいですよね。
縁起物を揃えていかれるときには「赤ちゃんにどのように成長してほしいかな?」という願いを大切にして選んであげるとよいですね。
こういった縁起の良い小物は、呉服店でもお取り扱いの有無が分かれます。
小物の購入やレンタルをご検討されるなら呉服店にお問い合わせしてみるとよいでしょう。
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written by ISHIKURA
歴史学科卒業後、地元の歴史ある企業・きもの永見で呉服の世界へ。 日々着物のことを学びながら皆様の「分からない」にお答えしていきます。